本棚探偵の生還 の感想

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参照データ

タイトル本棚探偵の生還
発売日販売日未定
製作者喜国 雅彦
販売元双葉社
JANコード9784575303391
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

購入者の感想

どうしても、「〜冒険」と比べてしまう。
やはり、テンションというのか勢いというのか、かなり落ちているような感じがする。
それは、「〜回想」でも感じたことだったが、まだ「〜回想」はハイテンションを維持していた。
多分、それは著者の年齢や生活環境のせいなのだろう。

古書、いや古書だけではなく本に対する著者の情熱は、痛いほど良く分かる。
共感できる。
私も本を買うのに食事代を削ったという経験がある。
ただそれも、若さ故の情熱であり、若いからこそ許容されることでもある。

本書で著者が述べているのは、古書、稀覯本に対する愛情、情熱、そして何より夢である。
そして、「〜冒険」と「〜回想」からは、その情熱と夢が溢れていた。
私も著者と同年配であり、だから著者の文章を受け止める力も弱くはなっている。
しかし、著者の本と、本を取り巻くものに対する情熱は、広くはなっているが、浅くなっているように思える。

マラソンとのコラボ、英国への古書ツアー、温泉宿の機構本などなど、テーマ的には非常に魅力的なのだ。
しかし、いかんせん、著者の文章からは、以前に感じられた著者の本に対する強い情熱が、弱くなっているように思えるのだ。
これは、コレクターのコレクションが充実してくると、アイテムに対する新鮮度が低下し、先鋭化はしてもその感動が小さくなることに起因しているのではないだろうか。

著者のミステリコレクションは、当初と比べたら相当に充実しているはずである。
もちろん、コレクターには終点はないから、まだまだという意欲はあるだろう。
しかし、その意欲の頻度は、依然と比べるとからり低下しているはずだ。

だがら、「〜冒険」や「〜回想」と比べて、あまり楽しめなかったというのが正直なところである。
「〜冒険」など、もう何度読み返したか分からないほど楽しく読んだが、おそらく本書は読み返すことはないだろう。
けっしてつまらない内容ではない。
しかし、著者の衰えが手に取るように分かってしまうのは、なんだか寂しい。

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