市民自治 (ディスカヴァー携書) の感想

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参照データ

タイトル市民自治 (ディスカヴァー携書)
発売日2014-02-21
製作者福嶋浩彦
販売元ディスカヴァー・トゥエンティワン
JANコード9784799314531
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

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「国家から出発して社会をつくるのではなく、市民から出発して社会をつくっていく(p.14)」ことを基本的な視点とする「市民自治」への提言の書。著者は元我孫子市長。在任中、補助金を一旦全部廃止して、市民の検討委員会による審査を行う取り組みや、職員採用に民間試験委員を導入する取り組みなどを行ったという。
 著者は、自治を担うべき市民について「違う意見、違う利害を持つ市民同士がきちんと対話をして、自分たちで合意をつくり出す力」が必要だとし、自治体の長のリーダーシップについても「市民の合意をつくり出すリーダーシップです(p.45)」と述べる。他者と議論をして合意をはかっていくことの重視は、平田オリザ『わかりあえないことから』にも通じる。
 対話の重要性を指摘することから、市主催のシンポジウムに、イラクに派遣された自衛隊の元隊長を招くことに強硬に反対した(対話を拒否した)「平和運動をしている人」の主張を、著者は「ようするに意見が違う人は抹殺の対象なのです。これは戦争の論理です(pp.107-108)」と辛辣に批判する。
 行政と、NPO・ボランティアの関係についての「行政ができないことを市民がやるのではなく、市民ができないことを行政をやらせるのです (p.13)」、地方分権についての「国が自分の権限を自治体に分け与えるというのが分権と思われていますが……分権の本来の意味は、主権者である市民が権限を国と自治体に分け与えること(p.22)」など、原理に遡れば当然なのだが、一見、世間一般の常識に反するような主張にも刺激される。
 著者の市民自治への熱い想いがよく伝わってくるし、市長としての取り組みの具体例も参考になる。好著。

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