ぼくたち日本の味方です (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルぼくたち日本の味方です (文春文庫)
発売日2015-11-10
製作者内田 樹
販売元文藝春秋
JANコード9784167904937
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

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対談集『ぼくたち日本の味方です』(内田樹・高橋源一郎著、文春文庫)が出版された趣旨が明快に語られています。

内田樹は、「特定秘密保護法から始まり、集団的自衛権の行使容認、そして安保関連法案を通じて、日本政府は70年間の不戦の国是を捨てて、『戦争ができる国』への法整備を進めています。国民の知る権利も基本的人権も『法の支配』も立憲主義までもが風前の灯火となっています」と指摘し、高橋源一郎は、「生れたときも、生れる前からも、親たちはひとかたならずわたしのことを思っていてくれたはずである。以来、60有余年、わたしが生きてここにあるのは、実にさまざまな方々のおかげである。わたしは、人びとのお世話になり、文学や芸術やマンガ、気候・歴史・慣習、その他もろもろの有形無形なものたちのお世話になった。ざっくりいうと、わたしは、この『日本』もしくは『ニッポン』という国、あるいは、共同体の中で生れ、育ち、現在に至ったのである。ありがとう、わたしを育ててくれた『ニッポン』さん。・・・わたしたち(高橋と内田)は、やがて、いなくなるが、わたしたちの後から来る人たちのために、『ニッポン』さんには、まだまだ頑張ってもらわなきゃならない。そのためにどうすればいいか。わたしは、ない知恵をふりしぼって考えてみた。みなさんが考えるためのヒントに少しでもなれば幸いである」と記しています。

私にとってとりわけ勉強になったのは、「『原発を作らせない』『沈む日本で楽しく生きる』。この両方を実現している場所が、今、この国には存在する」という章です。

それは、山口県熊毛郡上関町の祝島(いわいしま)だというのです。「男は漁業、女は農業、補償金はいらない」の背景が、「30年間ずっと反対してるんで、原発はできてないんだよね。祝島の漁協に、中国電力から強制的に、漁業補償金が10億8000万円振り込まれたんだけど、供託しっぱなしで受け取っていない」と説明されています。

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