今この世界を生きているあなたのためのサイエンス 2 の感想
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参照データ
タイトル | 今この世界を生きているあなたのためのサイエンス 2 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | リチャード・A. ムラー |
販売元 | 楽工社 |
JANコード | 9784903063461 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
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購入者の感想
第1巻に続いて、物理学の基礎に基づき我々が活用している宇宙技術、そして我々が大いに議論している地球温暖化を解説する。中でもハイライトはやっぱり地球温暖化の章。
著者は、「『不都合な真実』はプロパガンダであり、科学ではない」と断じる。しかしその意図は「地球温暖化は起こっていない」というものではなく、ゴアのプレゼンテーションに多少の誇張と歪曲が含まれていることに国民が気付いた時に、地球温暖化に関する本当に科学的な事実までもが信じられなくなることを恐れているというもの。そこに見えるのはあくまでも科学者としての冷静な目だ。
人間の体内ではあらゆる情報伝達物質やタンパク質があちこちで相互作用を及ぼしており、様々なメカニズムの因果関係はいまだ明確になっていないものが殆どだ。本書を読むと、地球の気候を含む自然のメカニズムも同様であり、簡単な因果関係で議論を片づけられないことに気付く。
だから、肯定であろうと否定であろうと、あまりにもシンプルな因果関係で説明される主張に簡単に納得してはいけない。観察される事象を現実として受け止め、それが大いなる危機を招く可能性があるならばその可能性を冷静に受け止め向き合うべきだ。本書の最大のメッセージを僕はそう読んだ。
著者は、「『不都合な真実』はプロパガンダであり、科学ではない」と断じる。しかしその意図は「地球温暖化は起こっていない」というものではなく、ゴアのプレゼンテーションに多少の誇張と歪曲が含まれていることに国民が気付いた時に、地球温暖化に関する本当に科学的な事実までもが信じられなくなることを恐れているというもの。そこに見えるのはあくまでも科学者としての冷静な目だ。
人間の体内ではあらゆる情報伝達物質やタンパク質があちこちで相互作用を及ぼしており、様々なメカニズムの因果関係はいまだ明確になっていないものが殆どだ。本書を読むと、地球の気候を含む自然のメカニズムも同様であり、簡単な因果関係で議論を片づけられないことに気付く。
だから、肯定であろうと否定であろうと、あまりにもシンプルな因果関係で説明される主張に簡単に納得してはいけない。観察される事象を現実として受け止め、それが大いなる危機を招く可能性があるならばその可能性を冷静に受け止め向き合うべきだ。本書の最大のメッセージを僕はそう読んだ。