反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 の感想
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参照データ
タイトル | 反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ナシーム・ニコラス・タレブ |
販売元 | ダイヤモンド社 |
JANコード | 9784478023211 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 哲学 |
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購入者の感想
ある固定化したシステム(例えば金融)において、これまでの状態が続かないと酷い目に合うことを「脆い」と定義し、大丈夫なことを「頑健」、逆に得をすることを「反脆い」としている。上下2巻でこのことをひたすら繰り返しているし、それ自体は正しいと思う。
この捉え方の問題点は、これまでの状態でない、いわゆるブラックスワン的なことがこれから起こると想定したときに、何が脆いかは予測できるが、何が頑健、あるいは反脆いかは予測できない(著者はある程度の変動までなら予測できると逃げているが、ブラックスワンの提唱者としては弱すぎる)。なので、頑健あるいは反脆いというのは結果論に過ぎず、大した対策にはならない。その点で残念な書物である。
全体的な論調として、脆いシステムを作り上げている一部の知識人に対する倫理的な怒りが感じられる。それ自体は誠実な立ち位置だが、その結果として様々なことに当たり散らし、著者の個人的な信念と客観的な事柄がごちゃごちゃに主張されている印象。
たぶん、何かを信じやすい人の、価値観を壊してくれる系読み物としては優秀だと思う。知り合いの薦めなので最後まで読んだが、内容自体は1割くらいの長さで書ける気がした。
この捉え方の問題点は、これまでの状態でない、いわゆるブラックスワン的なことがこれから起こると想定したときに、何が脆いかは予測できるが、何が頑健、あるいは反脆いかは予測できない(著者はある程度の変動までなら予測できると逃げているが、ブラックスワンの提唱者としては弱すぎる)。なので、頑健あるいは反脆いというのは結果論に過ぎず、大した対策にはならない。その点で残念な書物である。
全体的な論調として、脆いシステムを作り上げている一部の知識人に対する倫理的な怒りが感じられる。それ自体は誠実な立ち位置だが、その結果として様々なことに当たり散らし、著者の個人的な信念と客観的な事柄がごちゃごちゃに主張されている印象。
たぶん、何かを信じやすい人の、価値観を壊してくれる系読み物としては優秀だと思う。知り合いの薦めなので最後まで読んだが、内容自体は1割くらいの長さで書ける気がした。