藤原悪魔 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル藤原悪魔 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者藤原 新也
販売元文藝春秋
JANコード9784167591021
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品

購入者の感想

本書は雑誌で連載されたエッセイの寄せ集め集。

大きく3種類に分けられる。

一つは、O−157や猿岩石、麻原彰晃や酒鬼薔薇聖斗事件、

「悪魔」と子供の名前につけようとして問題になった事件など、

当時の時事問題を取り上げ、独特な藤原社会学的見地から斬ったもの。

一つは、「2000年藤原現在シリーズ」と題された、2000年に毎月本を出版した写真集や本の取材時の話。

(バリ島や富士山、鉄輪など)

そしてもう一つは、猫の写真とエッセイである。

暗くなりがちな時事問題のエッセイだけでなく、取材した話や猫の写真と話を交えるあたり、

東京漂流以降に見られる藤原新也のバランス感覚を感じる。

殺伐とした現代社会に、写真家としての彼が、できる限りポジティブなものを見出そうとした結果が、

猫のかわいらしい写真群であり、表紙にもなっている「マユゲ犬」ではなかろうか。

いろいろな話題を緩急織り交ぜた、読み楽しいエッセイ集だ。

個人的には「エンパイヤステートビル八十六階の老女」の序文に

ものすごく心を突き動かされた。

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