ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫) の感想

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参照データ

タイトルミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)
発売日販売日未定
製作者高野 秀行
販売元集英社
JANコード9784087460230
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » た行の著者

購入者の感想

題名に「柳生」が入っていたり、書評に「笑い炸裂」とありますし、作者の著書を見ても怪しげな題名ばかり並んでいますので、真面目な本に見えないかもしれません。
しかし、実際に読んでみると、現在のミャンマーの政治体制がわかりやすく説明されている、ミャンマーの入門書として最適な一冊だとわかります。
このレビューを書いている2010年11月には、ミャンマーでは20年振りとなる総選挙が行われ、7年以上軟禁されていたアウン・サン・スー・チーさんが解放されました。
では、なぜスー・チーさんは軟禁されていたのでしょうか。ビルマ建国の父であるアウンサンと、現在の軍事政権との関係はどうなっているのでしょうか。
作者は、ミャンマーの現在の体制を江戸時代の日本の「鎖国」に例え、将軍たちを徳川家に例えるという、時間と地理を超越した比喩を用いて見事に説明してくれます。
また、ミャンマーは鎖国されており外国人と触れ合う機会がないはずのに、なぜ人々は社交性に富んでいるのか、その理由が鋭く考察されているくだりなど非常に面白く感じました。
文庫本で安く手に入りますので、ミャンマーに興味があったらぜひ読んではいかがでしょうか。

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