低線量放射線被曝――チェルノブイリから福島へ (叢書 震災と社会) の感想

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タイトル低線量放射線被曝――チェルノブイリから福島へ (叢書 震災と社会)
発売日販売日未定
製作者今中 哲二
販売元岩波書店
JANコード9784000285308
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 核・原発問題

購入者の感想

 第一部は講演会の話に加筆訂正したものだそうです。
一般の人向けの放射線についての解説などもあります。
ガンマ線などの放射線のエネルギーは核種毎に違う、
だから核種の存在比率なども測定出来るとかいった話は、
意外に知らない人が多し話だなと思いました。
 この章でも、100ミリシーベルト以下の線量での
放射線被害の問題について少し触れられていました。
このことについての今中氏の解説は自分なりの解釈で簡単に書けば、
100ミリシーベルト以下で健康被害はないとする意見と
この意見の元になっている広島長崎のデータから得られる科学的な結論にはずれがあるということになるかと思います。
講演会での表現でいうと
「100ミリシーベルト以下で有意な影響が観察されていない
というのが百歩譲って正しい表現です。
影響はありません、というのは間違った解釈だと
私は思っています。」となっています。
 チェルノブイリの事故の被曝での子供の甲状腺癌の発生の
グラフを本書で改めてみて、
これは事故前に甲状腺癌の発生を把握していなかったとしても
ヨウ素による甲状腺癌の増加の証拠になるなと思いました。
(年齢別に甲状腺癌の発生数があり、
ある年の年齢別の癌発生率がわかるだけでなく、
同じ年齢になったときの発生率も複数年で比べればわかる)。
甲状腺癌が増えた様に見えるのは事故前はよく調べていなかっただけ、
という反論は難しいなと改めて思いました。
 最後のところで、科学の立ち位置は推論の元は
最も確からしいところを基盤にするとおっしゃています。
同時に科学者でないジャーナリストなどが科学的でない
アプローチをするとしても、否定はしないそうです。
ただし、科学的でない助力は科学の方からは出来ないということです。

 第2章は福島事故前と事故後の主に低線量域の放射線影響についての問題を扱った文章が集められています。
自分自身はこれらを読んで問題点がかなり整理されてすっきりしました。

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