アジア市場を拓く: 小売国際化の100年と市場グローバル化 (関西学院大学研究叢書) の感想

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タイトルアジア市場を拓く: 小売国際化の100年と市場グローバル化 (関西学院大学研究叢書)
発売日販売日未定
製作者川端 基夫
販売元新評論
JANコード9784794808844
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情

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 マクロ的な視点から日本の百貨店や総合スーパー・食品スーパーの国際化の全体像把握に迫った初めての学術書といえます。学術書と言っても叙述は平明であり、学部生でも充分理解でき、日本の小売業の国際化を学ぶための好著です。第1、2章で、日本の小売国際化行動を歴史的にひもとき、3章から7章までで市場別にインドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、マレーシア、香港、台湾、韓国、中国大陸などのアジアばかりではなく、欧米も含めて取りあげ分析している。総合小売業を扱っているが、研究の中心は現在国内市場で様々な課題に直面している百貨店にあり、百貨店の今後の成長戦略に考える際の示唆が多く得られます。いくつか、興味をもった内容や気がついた点は次の通りです。
1 筆者の川端氏は1995年から一貫して追及してきたテーマであり、「経済地理学的」フィールドワークによる情報収集と整理分析基づいており、主張には説得力をもつ。
2 開戦直前、三越のハワイ出店など興味深いケースが紹介されている。
3 一度国際化が衰退期を迎えたのが、2000年後半から海外出店が再び増加し歴史の転換点に入ったあるが、今後どう推移するかがが楽しみ。
4 シンガポールでの伊勢丹の分析は秀逸。
5 郊外の概念が市場によって異なること、マレーシアではイオンがデベロッパー機能を発揮していること、伊勢丹がPB開発ノウハウを蓄積したのは面白い。
6 家賃分析は筆者の得意分野だが、それにしても香港の家賃上昇はすごい。
7 本書のキーワードのひとつは「市場のモザイク性」であり、中国は巨大市場というのは幻想である。中国にはまだまだ未開拓の市場はたくさんある。
8 今後欧州への中国人団体旅行客の増加が予想されるので、中国大陸での日本の小売企業の戦略が欧州店舗(現在は三越の2店舗のみ)にも影響を及ぼすであろう。
9 長年、川端氏が提示されている「フィルター構造」は理解できるにしても、「地域内で共有化された暗黙知である地域暗黙知が影響している」と言う主張は少し飛躍があるのでは?
10 その他、海外店舗店舗データベースなど貴重な資料が豊富に掲載されている。

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