VR・AR・MRビジネス最前線 (日経BPムック) の感想

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他の方のレビューにもある様に、内容は古い。
ただ、広く浅く乗せていることで自分の専門外の業種の情報を得られること、
その当時の未来の展望が今実現段階に来ていることが確認できることで、
VR、AR、MRを推進する立場にある方には、VR、AR、MRの知識に疎い方、否定的な相手に対し、投資価値のあるものだと広報するためのソースとして活用できる。

現在私はそうした使い方で本書を利用しています。

VR(Virtual Reality), AR(Augmented Reality), MR(Mixed Reality)の本。ムック本サイズでオールカラー。ゲームでの活用がまず思い浮かぶ分野だが、ビジネスへの応用も進んでいるとして、産業別に徹底的に実際の事例もしくはソリューションを紹介することに注力した内容になっている点が特徴である。

製造、建設・不動産、医療、物流・倉庫、小売、広告、教育、観光、エンターテイメント、スポーツ。設計・開発・デザインの分野では企画段階での仕様の確認に役立つ。少子高齢化の進行で熟練工の減少に悩む製造業では、ものづくりの現場を支援する。建設現場のように多くの人が分業制でかかわっている産業分野では、具体的な設計内容や意図の共有およびすり合わせに効果を発揮する。患者の体の内部の確認や新米医師の手術のトレーニング、物流レイアウトの設計。技能訓練。インテリアにおいては、VRは購入したい商品が定まっていない段階での商品イメージの検証に利用され、ARは購入したい商品を自分の部屋に配置した場合のシミュレーションに役立つ。ユーザの視線分析。広告。観光。スポーツ観戦。もちろんゲームも。VR、AR、MRの用途は広い。

終盤では4人の識者のインタビューが掲載されている。例えば、藤井直敬氏は、「そもそも、現実とは全部主観的なものなので、仮想と変わらないですよね」とか「その人は仮想的な人かもしれないし、実在の人がただそこに表示されているだけかもしれない。もう見た目いるとしか思えないようになるかもしれないですね。時間と空間の境目みたいなものが、段々曖昧になってくるでしょう」と語っている。巻末には用語集がある。