時をつなぐおもちゃの犬 の感想

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主人公は１２歳の少女チャーリー。
サッカーのワールドカップを観るためにやってきたというドイツ人二人と浜辺で偶然出会い、
二人の過去と母の大切にしてた古い犬のおもちゃにまつわる話が偶然繋がっていきます。
戦争の悲劇と悲劇の最中に生まれた、暖かい逸話が語られていきます。

家族の雰囲気（母と家族の微妙なひずみのようなすれ違う感情）や
母の何かを秘めているようなしぐさも
さりげなくリアルに表されていて、子どもに対しても
誠実に向かい合っておられるようなような印象を受けます。
語り伝えていきたい「人と人のささやかな物語」です。

文は、戦争を手放さないで紡いでおられるイギリスの児童文学作家モパーゴさん、
絵は青の色遣いが大好きなフォアマンさんの作品です。
英文タイトルは「LITTLE　ＭＡＮＦＲＥＤ」、そのままカタカナ表記して、
「時をつなぐおもちゃ」を副題としても、格好良く、
手にとってもらう機会が増えたかもしれません。