「あなた」という商品を高く売る方法　キャリア戦略をマーケティングから考える ＮＨＫ出版新書 の感想

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「あなた」という原石をいかに磨いて高く売るか、高く売れるように磨くにはどうすればよいのか。その方法をマーケティングの考え方を使って、明解かつ具体的に説明してくれます。残念ながら、今のままの「あなた」をうまいこと高く売る方法を教えてくれるわけではありませんでした。そんなに甘くないですよね、やっぱり。でもマーケティングの視点で冷静に自分自身を分析し、マーケティングの手法で課題に取り組めば、必ず高く売れる道筋が見えるはずと自信を持たせてくれます。理論だけではなく、要所々々でしっかり励ましてくれますしね。たとえば
『「真似するのが難しい」状態になれば、それが本当の強みになる。最初は誰かがやっていてもいい。あなたの強みの種は、必ず進化するからだ。そしてまずは職場で一番を目指してみる。続いて部内で、・・・・・「一番になるなんて難しい」と思うかもしれないが、範囲を絞れば決して難しいことではない。第１章で紹介したように、市場は細分化している。だから市場を小さく絞り込み、その小さな市場であなたを必要とする人がいる状況で、一番を目指すのだ。』（第４章「あなたの強み」を育てる　より）
のように。また著者の永井さんが会社員時代に悩まれたお話も随所にでてきますので、高みからのご高説ではなく温かみのある、リアルなアドバイスとして受け取ることができました。

いまの時代、組織の中にいても独立して仕事をしていても、自分の市場価値を高めることを意識しないと「高く売る」どころか自分の仕事がなくなりかねないですよね。なので、とりたてて自分を「高く」売りたいとは思っていない人（＝私がそうです）にも有益で参考になる一冊です。