プラットホーム(字幕版) の感想

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タイトルプラットホーム(字幕版)
発売日2016-03-07
監督ジャ・ジャンクー
出演ワン・ホンウェイ
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カテゴリ » Amazonビデオ » カテゴリー別 » 外国映画

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近年の中国映画最大の収穫のひとつであり、2000年ベネチア映画祭最優秀アジア映画賞受賞作。ギリシアのテオ・アンゲロプロス監督『旅芸人の記録』を思い起こさせる名作。
中国映画第六世代・ジャ・ジャンクー(賈樟柯)は、この劇場長編映画第二作において、1979から1991年までの、旅の芸能に生きる若者のけだるい青春を描く。ただし、国家の運命と個人個人の運命とを関連づけて描くのである。その点、中国映画第五世代、チェン・カイコー、チャン・イーモウなどの初期の作品に強く政治性が表れていたことを思わせる。
しかしながら、第五世代が政治的映画において描いた、文化大革命以前の時代を生きる主人公たちと、『プラットホーム』の主人公たちとでは、時代が違う。すなわち、中国の辺境・田舎の立場から、中国共産党による圧政というひとつの敵を批判していればよい時代は過ぎた。その時代を、ジャ・ジャンクー映画の主人公は生きているのである。経済的自由化の波、天安門事件における政治的自由獲得の挫折。政治的な自由の獲得よりも経済的な繁栄を優先していく過程・そのなかで、自らも望んで身を投じたことだとはいえ、予期しないかたちで自分を見失っていく若者の姿。それは、日本、韓国含めてアジアにおいて、いや世界的にも都市と田舎との区別を問わず一般的に見られる現象だろう。
ジャ・ジャンクーは、かたや、映像表現においては、対象と観客双方に対してまったく突き放したロング・ショット、長回しを多用し、こなた、BGMにおいては、テレサ・テンやタイトルの『プラットホーム』など変遷する流行歌を流す。もちろん、この手の映画の常として、プロットがたどりにくいのが難点である。だが、その点を配慮して付された解説文を鑑賞前に熟読したうえで、この淡々としたなかで激変する時代を生きる《中国の旅芸人の記録》を何度も繰り返しごらんになることをオススメする。

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