リアル折り紙 水の中を泳ぐ生きもの編 の感想

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ひとつ目は折り図に関して不満があります。
谷折り線と隠れた外形線がどちらも破線であることで混乱を招きやすい折り図になっています。
また、谷折りが赤、山折りが青で示されているため、人によっては直感と反する色分けになっています。
さらに、工程が番号順に並んでいない（例えば16,18,17のように並んでいる）ところがあり、わかりにくいです。
その他にも、実際には角の二等分で折ることが出来ないのに、そう折るように指示しているところがあったり、
裏返す記号をはじめに定義したにも関わらず、文字で小さく「裏返す」と書かれているにとどまっていたりします。
それから、全体的に工程を凝縮している感じがします。１つの図に複数の工程をひとまとめにして図示したり、
工程1からすでに折り筋がついていたりします。

ふたつ目は作品に関してです。
両面同色の紙を用いることを前提としているため、裏面が白い紙を用いると不自然なインサイド・アウト作品に仕上がります。
また、最終的な仕上げでゴリ押しするというパターンが多く、折り図の通りに折ってもなかなか掲載されている写真のようには仕上がりません。
これは折り手の技術力不足ということもありますが、「小さい子どもからお年寄りまで」という文句とは相容れない難しさだと思われます。

最後に良かった点をあげますと、
写真が美しいことや、
「ひきはがし折り」「かかと折り」と言った、
今まで折り紙でよく使われてきたにも関わらず名前がつけられていなかった技法に
直感的な名前がついていることなどがあります。
また、アイデアが面白い作品もありますので、解説の不親切さや作品の粘土的な仕上げがとてももったいなく感じました。