デッドプール Vol.1:デッド・プレジデント (ShoPro Books) の感想

403 人が閲覧しました

日本では絶対にお目にかかれない凄まじい内容でした…。表現の自由とは、こういうものなんですね。ゾンビ化した歴代大統領を倒していくという、白眼を剥くようなストーリーです。面白かった！
デッドプールの脆さ、強さ、優しさ、いろんなものが詰め込まれた素敵な作品だと思います。
デッドプールに興味がある方は、取り敢えずここから始めてみてはいかがでしょうか。

オカルトかぶれのS.H.I.E.L.D.エージェント・マイケルは
大国として弱まりつつあるアメリカを憂い、黒魔術を用いて
歴代大統領を墓場から復活させるが、しかし邪悪な心を
伴って蘇った彼らは祖国を滅ぼすべく侵略を開始する。
「アベンジャーズに大統領殺しはさせられない！」と
事態に困窮したS.H.I.E.L.D.が白羽の矢を立てたのは
我らがヒーロー、お喋りで不死身な傭兵・デッドプール。
かくして全米の存亡を賭け、不死身の男とゾンビ軍団の
ルール無用の残虐バトルが幕を開けた！…というお話。

よっぽどゾンビと縁が深いのか、今回のプーさんが
お相手するのは現代に蘇った悪の大統領軍団。
アメリカの歴史トリビアに詳しければ詳しいほど
より内容を楽しめるんだろうなというのは伺えますが、
ルーズベルトと動物園で！ニクソンとウォーターゲートで！
リンカーンと金網リングで！そしてレーガンと宇宙で！と、
各人に馴染みある舞台で銃を撃ち合い、刀を刺し合い、
そして拳で語り合うハチャメチャバトルが展開されるので、
教科書をかじった程度の知識でも十分盛り上がれます。
一方では印象の薄いマイナー大統領はテロップで名前を
簡単に紹介したら次のコマでまとめて事故死、なんて
ぞんざいな扱いや、小ブッシュにもほんの少し触れたり
するきわどいネタには思わず変な笑いが浮かびます。

本国でもネタの全てを理解できる人はちゃんといるのか？と
思えるポップカルチャーや時事ネタまみれで実にオタ向けな
内容もデッドプールシリーズではお馴染みですが、今回は
とりわけ映画ネタ絡みが多いのが個人的には嬉しいところ
（「マッドマックス」なら「サンダードーム」、「エイリアン」なら
「4」をわざわざ持ってくる微妙なチョイスもまた可笑しい）。

さりげなーく挟まってくる下ネタからあまりにも堂々と
やらかしてくるゴア描写、そもそも偉人を悪のゾンビにして