忍者文芸研究読本 の感想

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タイトル忍者文芸研究読本
発売日販売日未定
製作者吉丸 雄哉
販売元笠間書院
JANコード9784305707321
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 文学理論

購入者の感想

水の上をすいすい歩く水楯の術。煙幕をもくもく発生させかく乱する火遁の術。素早く動き人数を複数に見せかける分身の術。黒装束を身にまとい、屋根から屋根へ音もなく飛び移る。四方六方八方に手裏剣を投げまくり、諜報活動に精をだす。そんな忍者の姿にあこがれている人は多いだろう。国内だけではなく海外からも「NINJYA」として、熱い視線を受けている。そう、忍者は多くの人の憧れの的なのだ。

そんな、忍者が大好きなすべての人に紹介したいのが『忍者文芸研究読本』である。従来の忍者研究の多くは忍者の事実面だけが強調されてきた。「心踊る忍術の話はフィクションの世界の話であり、実はね……」といった具合である。忍者ファンからしたら実に寂しい話だ。我々はかっこいい忍者が好きなのだ。

しかし、なんと本書では事実のみならず、フィクションのかっこいい忍者像を解き明かそうと試みている。マンガ、小説、歌舞伎、映画……人々が愛してきた忍者の姿に、文学者や人類学者たちが迫る。そこに描かれる忍者にはフィクションならではの魅力が沢山つまっている。

冒頭の作家・和田竜氏、歴史家・山田雄司氏、「最後の忍者」・川上仁一氏による鼎談も興味深い。歴史書からきゃりーぱみゅぱみゅまで、忍者の魅力を語りつくしている。注目したいのが、忍術を受け継いできた甲賀伴党21代目宗師家で「最後の忍者」とも呼ばれる川上氏が肩の関節をはずすところだ。

山田 『万川集海』には、縄でしばられたときは関節を外して抜けると書かれていて、『忍びの国』では無門があばら骨まで外して縄を抜けていますけれども、川上さんは肩の関節を外すことができると伺っていますが、よろしかったらここでやっていただけませんか。(拍手)
川上 (中略)……外そうと思ったら、どこでも外すことは可能なんです。脱臼ですから痛いし腫れてしまいますけど、我慢すればいいんですから。でも、小さい時から練習すると、案外できるんですよ。
三重大学学長 (肩にさわる)うん、はずれとる。

学長も出てきて、非常に楽しそうである。忍者愛に溢れた一冊なので、忍者好きはぜひ手に取ってみて欲しい。

【Reviewed By Synodos/シノドス】

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