セレンディピティと近代医学 - 独創、偶然、発見の100年 (中公文庫) の感想
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参照データ
タイトル | セレンディピティと近代医学 - 独創、偶然、発見の100年 (中公文庫) |
発売日 | 2015-04-23 |
製作者 | モートン・マイヤーズ |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784122061064 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
セレンディピティとは、3人のセイロンの王子のお伽噺から生まれた「思わぬものを偶然に発見する能力」を意味する言葉である。近代医学の歴史のなかには、そうした能力の持ち主が人類にすばらしい宝物をもたらしてくれた事実を、しばしば見出すことができる。たとえば、放置しておいた細菌培養皿に、たまたま落下した青かびの溶菌作用を見逃がさなかったことが、ペニシリンの発見につながったフレミングの名は、多くの人に知られているはずだ。パスツールやコッホに始まる「微生物の狩人」たち、がんとの闘い、心電図など生理学的検査法の登場、精神安定剤その他の新薬の開発などなど、現代の人びとの寿命や健康維持に大きく寄与するものが少なくない。こうした画期的な発明発見の物語は、医学に直接的には関係しない人たちにとっても、「幸運な、意外な大発見エピソード」として興味深いに違いない。