エンデ全集〈15〉オリーブの森で語りあう―ファンタジー・文化・政治 の感想
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参照データ
タイトル | エンデ全集〈15〉オリーブの森で語りあう―ファンタジー・文化・政治 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ミヒャエル エンデ |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000920551 |
カテゴリ | 文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » ドイツ文学 |
購入者の感想
『モモ』『はてしない物語』で有名なドイツのファンタジー作家ミヒャエル・エンデが、同じドイツの政治家エアハルト・エプラー、演劇人のハンネ・テヒルと語り合った対談です。エンデというと現実離れのしたファンタジーを書く作家と言うイメージが強いように思われがちですが、この対談で彼は現実世界における「ポジティヴなユートピア」の可能性を見いだそうと、ほかの二人と意欲的な議論を戦わせています。科学偏重主義やマルクス主義の限界を意識し、「自由・平等・友愛」の三原則をそれぞれ文化・政治・経済に当てはめた未来社会を創ってゆこうという提案は、非常に説得力があります。今の社会の仕組みに疑問を感じながらも、どのように社会を変革していったらいいのかわからないと迷っている人に一読をおすすめします。この全集版は箱も製本もきれいで、魅力的な一冊に仕上がっています。