進化心理学入門 (心理学エレメンタルズ) の感想

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参照データ

タイトル進化心理学入門 (心理学エレメンタルズ)
発売日販売日未定
製作者ジョン・H. カートライト
販売元新曜社
JANコード9784788509535
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門

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進化心理学というマイナーな分野を、「性行動」「心の病」「知性の獲得」の3つの中心トピックを用いて、初学者にも興味が持てるように分かりやすく解説した本。

私たちが進化という適応の中でどのように発達してきたのか
現在ヒトに見られる行動様式や心理的傾向をもたらした根源的なものは何なのか

このような疑問に簡潔に答えてくれる本。

進化心理学に少しでも興味を持てる人は、必読の本だと言っても良いかもしれない。

以下は本全体の要約です。さらなる解説・考察などはhttps://wp.me/p9Cd8y-C1へ

進化心理学とは、人の行動様式や心理的傾向を、進化によってもたらされた適応の影響から考える分野であり、進化というものを扱う性質上、仮説検証を多く積む必要がある分野でもある。

進化心理学で用いられる主な視点は「その行動や心理的傾向が祖先の生き残りにどのように役立ったのか?」である。

進化心理学の中心トピックは主に3つある。

一つ目は「性行動」について。

生物の生存理由は「子孫を残す」ことであり、子孫を残すことができた生物のみが、生存することができる。

子孫を残すことができるかどうかは、自然淘汰と性淘汰を生き残ることができるかどうかにかかっている。特に性淘汰を生き残るために、オスとメスはそれぞれ異なった戦略をとる。ただし、身体的、心理的に優れた遺伝子を取り込もうとする傾向はともに持っている。(対称性が遺伝子の優位を決める)

オスとメスの性行動は全く異なり、基本的にオスは子孫を残すために繁殖を最大化しようとするが、メスは子孫を残すためには多くの資源を投資しなければならないため、配偶者の選択に重きを置く。

基本的にオスの性的興奮の閾値は低く、売春などの職業が成立している理由は、オスにとって妊娠可能なメスは資源であるからであり、男性は配偶者の不貞を嫌い、自分よりも成熟の早い傾向にある年下の女性を好む。

進化心理学のコンパクトな入門用教科書.中身は入門書らしく初歩を淡々と記述してある.性差の部分,精神障害に関する部分,ヒトの進化における脳の増大についての部分がやや詳しい.血縁に関する葛藤や感情のモジュールについてはあまり触れられていない.訳は手堅い.
とにもかくにもコンパクトにまとめてあり記述も中庸を得たものでまず進化心理学を簡単に知りたいという入門書として推薦できる.
入門書としてはダイラン・エヴァンズの図説版(「超図説 目からウロコの進化心理学入門」講談社)に続き邦訳されたのは2冊目と思われる.エヴァンズのは一般向けポップな書物(ただし中身は広く,面白いところに気を配りつつも非常にきちんとしている)でこちらは固い教科書風に仕上がっている.
さらに興味がある人への中級書としては教科書なら「進化と人間行動」(東大出版会),一般向けなら「心の仕組み」上中下(NHKブックス)が推薦できる.

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