田中角栄研究―全記録 (上) (講談社文庫) の感想

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タイトル田中角栄研究―全記録 (上) (講談社文庫)
発売日販売日未定
製作者立花 隆
販売元講談社
JANコード9784061341685
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

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田中角栄の人脈、関連会社、金の流れを徹底的に調査して書き上げた「田中角栄研究-その金脈と人脈」他、これに続けて著者が雑誌に発表したものと著者自身による解説が収められている。
立花隆は取材チームの報告をもとに隠された事実を推論し、更なる調査の指示を出していく。20名のチームとはいえ一か月でここまで調査したということにまず驚嘆である。

各記事では会社の登記などの公の事実と関係者からの聞き取りといった情報に加え、著者の大胆な推論が展開されている。例えば越山会へ一回だけ献金したことのある企業をリストアップして、同時期にその業界が有利になる(または不利を免れる)ような政策決定がなされた事実を合わせ、関係者にあたるうちに、田中の集金手法をあぶりだす。それは見返りを期待してなされる自発的なものだけではなく、業界に不利な政策を打ち上げ要求する恐喝型政治献金であった。
金権政治のメカニズムの一端を教えてくれる貴重な書物である。

これを書くことで、身の危険や嫌がらせ、名誉毀損で訴えられることも著者は当然考えた。そのときの腹の括り方もすごい。
「暴力沙汰というのは、要するに、肉体的苦痛を我慢すればすむことだし、(中略)ほかにいくらも食う道はあると思っていたから、さして心配はしなかった。あと名誉棄損の場合は先に述べたようにせいぜい三年の監獄入りですむことなのだ。」

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