成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論 の感想

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参照データ

タイトル成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論
発売日販売日未定
製作者山川 賢一
販売元キネマ旬報社
JANコード9784873763743
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » イラスト集・オフィシャルブック

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購入者の感想

魔法少女まどか☆マギカはファンタジーでありながら現実との密接な繋がりを見せてくれる稀有なアニメなのではないでしょうか。個人的には佐倉杏子のキャラクターが好きです、父を愛するがため宗教家である父の説教を聞きにくる人を増やしたいために魔法少女になりななが父に裏切られて結局は人に期待しない事を信条としながらも自分と似た境遇を背負った美樹さやかを救おうとして命を落とす所は切なすぎる。そしてラストの主人公である鹿目まどかの決断も切なすぎる。

■作品紹介
2011年の1月から4月にかけて放映され、先を読めない展開と哲学的テーマから大きな反響を呼んだアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」についての評論。
本アニメに限らず、過去の小説や映画等様々な作品と比較してその構成やメッセージを論じている。

■感想
僕は、アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」を見てその哲学的なテーマや視聴者を飽きさせない物語構成に惹かれ、このアニメのメッセージは何か、あのラストの意味するところは何か、それが現実世界の教訓としてどう活きるのか、何故このアニメはこれほどまでに反響を呼んだのかといった本アニメに関する考察・洞察を知りたくてこの書を手にとった。なので本書には「このアニメを見て感じた、うまく言葉に表せない感動や違和感」を言語化して整理してくれることを期待していたのだが、どうもそういう目的で書かれた評論では無かったらしい。

まず全体的に感じたこととして、非常にわかりにくい。今何を明らかにしたくて、そのために何を論じているのかが全くわからないまま文章が進んでいく。というのも、文章の半分が過去の小説や映画といった他作品の引用・比較になっていて、しかもそれを引用することで何を言いたいのかが全くわからないのだ。ただ「昔こんな作品があって、このアニメとこんな共通点があるんだよ」と言ってるだけで結論がない。それでも作者は自分の知識をひけらかすかのようによくわからない外国の作家や作品名を列挙し続けるので、話は冗長だし脱線しまくっていて見るに耐えない。さらに、些細なことではあるが誤字脱字・未変換が目立つことも気になった。本書はあとがきにもある通り「最も早い時期に出された評論」であり、とにかく「早くにそれっぽいものを出すこと」だけを考えられて出版されたものだろうか、全体的に稚拙すぎる印象を受けた。

とはいえ全く無味乾燥かというとそういうわけでもなく、「希望と絶望」というテーマに関する考察や、登場人物達が物語上で成す役割の説明には一読の価値があるとも感じた。なので、本アニメの内容に関する考察というよりは、長い文学史の中における他作品との対比という観点からアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」を論じたい人に向けた評論、というのが本書の正しい位置づけになると思われる。

と考えて読むならそれなりに面白いのですが、まどマギ評論本としては脱線しすぎじゃないかなと。
本文の数十%を他作品や評論の引用で使われてしまうとどうにも萎えるといいますか。ホラーオタクばかりと思うなよ、といいますか。
アニメの評論だから相場より高いのだろうを割り切って買ったのに、ここまで外れるなら新書として出せたのではないかと。
「まどマギのシステム」については楽しかったので星+1。でもここで他作品との比較に入るんじゃなくて、キャラの深層に突っ込む方に話を進めて欲しかった。副題に「まどマギ」論と付けてるのですから。

 それと、他の方も指摘されているように誤字が多いです。本文だけでなく引用にさえおかしいところが多々あるのは、ファンとしてあまり気持ちの良いものではない。
 前書きで自分の論=真実と言わんばかりの書き方をしているのに少しいらっとしましたが、星を減らす要因にはならないと思い直したので星は2のまま。

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キネマ旬報社から発売された山川 賢一の成熟という檻 『魔法少女まどか☆マギカ』論(JAN:9784873763743)の感想と評価
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