星間商事株式会社社史編纂室 (ちくま文庫) の感想

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参照データ

タイトル星間商事株式会社社史編纂室 (ちくま文庫)
発売日販売日未定
製作者三浦 しをん
販売元筑摩書房
JANコード9784480431448
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » ま行の著者

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購入者の感想

会社が舞台になっているけどそこにリアリティはなく、内容はちょっとマニアックなコメディといえるでしょう。
同人誌、BL、パターン的な人物造形・・・ついていけない気がして投げ出しかけたが、最後まで読めた。コメディとして成功しているかは微妙、笑える場面や会話も多々あるんだけども、ちょっとマニアックな舞台設定がどうしても引っかかる。

幸代が手がけた郊外の大型ショッピングモールプロジェクトは大成功!しかし、上司からの類似の企画の責任者の話を固辞したため、彼女は社史編纂室に飛ばされた。ゆるゆるの職場で自分の趣味の同人誌作りに励むつもりだったが、ひょんなことから会社には誰にも知られたくない秘密があることに気づく。社史編纂室の面々は、その秘密に迫ることにしたのだが・・・。

幸代の同人誌作りに気づいた課長が、自分も同人誌を作りたいと言い出し、小説を書き始める。男同士の恋愛を描いた小説を課長に見られてしまったので、幸代は断れなくなってしまう。おまけに、会社の社史発行という責任重大な仕事ものしかかる。だが、社史編纂のために会社の過去を調べると、思わぬ事実が転がり出た。それは、会社としては絶対に知られたくないものだった。そこから事態は大きく変わっていく。
個性的で面白いキャラクターのオンパレード、幸代のオタク的小説、課長の謎を含む小説、そして会社の過去・・・。面白おかしい話のはずなのだが、いまいち乗りきれないし、笑えない。現実味に乏しく、会社の誰にも知られたくない過去も拍子抜けするほどの事柄だ。全体的にまとまりのない単なるドタバタ小説になってしまっている。作者は、なぜこんな話を書こうとしたのか、意図が分からない。「面白くない。」とは言わないが、物足りなさを感じる作品だった。

主人公は中堅商社の社史編纂失に配属された女性。勤め始めの頃は頑張っていたが、趣味(BL小説)を優先するため閑職への異動を希望する。同棲する彼氏はフリーターで、ふらりと長期の旅行ばかりしている。結婚したくてもできないが、別れることもできない。停滞した状況の中で、彼女の趣味と仕事が一致するような出来事が起こる。

内容はたわいもないが、同人誌に余暇の全てを費やすオタクの生態や彼らが終結するコミックマーケットを背景に、BL小説と、某商社が日本人女性を貢物にして利権を得るという時代小説が劇中劇のように入れ子になっていて、面白い。確かに、「風が強く吹いている」のような、三浦しをんの他の小説のようなカタルシスは得られない。でも、どうやら現代の日本の会社では女性の方が事務処理能力の点で優秀らしいこと、彼らには上昇志向の全くない男たちが好まれるらしいことや、女性のオタクの結婚観、愛情観などが良く描かれていて、引き込まれた。停滞する日本経済は、新しい文化の形、女性のオタクを量産しつつあるのだろうか。

結末は、ファンタジーになってしまい、少々残念と思ったため、4点。

珍妙なるラブストーリーちょいとミステリと言えば、大まかにこの作品を表現した事になるだろうか。

素晴らしい。

ストーリーから構成、作中作の内容に至るまで全てが素晴らしい。ちょいと具合が悪くなるストーリーもあるのだが、それは私の思い込みによるもの。見る人が見ればなんてことはありますまい。

少々難解な単語が出てきます。Wikipedia片手に読書される事をお勧めします。
阿呆な作品です。楽しみたまえ。

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