本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫) の感想
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参照データ
タイトル | 本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 本田 宗一郎 |
販売元 | 日本経済新聞社 |
JANコード | 9784532190699 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫) とは
本田は「私の履歴書」でこう述べている。「私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか1%にすぎないということも言っておきたい。99%は失敗の連続であった。そしてその実を結んだ1%の成功が現在の私である」自動車修理工から身を起こし、一代で巨大自動車メーカーを築き上げ、「HONDA」ブランドを世界にとどろかせた希有の成功が1%でしかないならば、残りの99%はなんなのか。本田の言葉をたどると、失敗した99%にこそ、たぐい稀な人間ドラマが見つけられる。
本書は本田が56歳のときに連載した「私の履歴書」と、1962~1991年の足取りをまとめた編著者による「履歴書その後」、さらに「本田宗一郎語録」の3部構成で描きだしている。外国から体中に部品を巻き付けて強引に飛行機に乗り込んだり、四輪自動車への進出を規制する官僚にたて突いたりといった破天荒なエピソードに満ちあふれている。モノづくりへの情熱や創意工夫、物まねを嫌い独創に賭ける精神、ヒューマニズム、そして天才技術者としての側面など、本田の原点もここに感じ取れる。また、強烈な成功体験をもつ創業者の世代交代問題などのテーマも取り上げられている。スーパーカブやN360などの開発経緯は、ホンダのマシン愛好家にとって見逃せないところだ。この本田の壮大な生涯は、不景気に萎縮するビジネスマインドへの大きな刺激となるだろう。(棚上 勉)
購入者の感想
本田宗一郎氏の人となりを拝見したく手に取った。
私がこの書籍からの感想が2点。
1.トップ経営者のニーズ創造思考
後半の語録で、消費者にアンケートを行いニーズを探る方法に疑問を呈している。消費者が知っていることは既に過去のこと。そのニーズを実現するのでなく、まだ世にないニューデザインが必要だと言う。
これは、Appleで活躍したスティーブ・ジョブズが同じ事を言っている。
稀有な企業となるには、やはり社会に新しい価値観を提供することが必要なのだと考えさせられた。
2.強固に求める競争思考
国の輸入規制などの政策を批判しながら、海外に勝つため真に競争力がある商品を目指すと語っている。彼は根っからのものまね嫌いであり、他社とは異なるということを徹底的に追求した。これがホンダイズムとなり、企業に価値観として根付き、競争力ある製品を生み出した。
これら2点は言葉にするとどこか凡庸であるが、文書を通して彼の姿勢をからそれを感じ、イメージとして沸かせられた。
創業家の飽くなき挑戦心を感じる一冊。
私がこの書籍からの感想が2点。
1.トップ経営者のニーズ創造思考
後半の語録で、消費者にアンケートを行いニーズを探る方法に疑問を呈している。消費者が知っていることは既に過去のこと。そのニーズを実現するのでなく、まだ世にないニューデザインが必要だと言う。
これは、Appleで活躍したスティーブ・ジョブズが同じ事を言っている。
稀有な企業となるには、やはり社会に新しい価値観を提供することが必要なのだと考えさせられた。
2.強固に求める競争思考
国の輸入規制などの政策を批判しながら、海外に勝つため真に競争力がある商品を目指すと語っている。彼は根っからのものまね嫌いであり、他社とは異なるということを徹底的に追求した。これがホンダイズムとなり、企業に価値観として根付き、競争力ある製品を生み出した。
これら2点は言葉にするとどこか凡庸であるが、文書を通して彼の姿勢をからそれを感じ、イメージとして沸かせられた。
創業家の飽くなき挑戦心を感じる一冊。
一般に本田氏を取り上げた書籍は多いが、ご本人が著作されたものの中では一番内容が濃いものであると感じた。巻末の本田宗一郎語録も氏の生き方を濃厚に示す内容である。激動の戦後を子供のような無邪気さを忘れず、顧客第一というタテマエではなくホンネで通した創業者伝。藤沢武夫氏の著作と読み比べるとより面白い。