超思考 (幻冬舎文庫) の感想
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参照データ
タイトル | 超思考 (幻冬舎文庫) |
発売日 | 2013-08-01 |
製作者 | 北野 武 |
販売元 | 幻冬舎 |
JANコード | 9784344420724 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » か行の著者 |
購入者の感想
今の世の中、本当に言いたいことを言える人がどれだけいるでしょうか。
常識、モラル、道徳を重要視するあまり、「ちょっと変だぞ?」と思ったことでさえ口に出せない。
そしていつしか言わないことと考えないことが同義になり、面倒なことを考えなくなる思考停止の状態に陥ってしまう。
北野氏がこの一冊で取り上げ考察するテーマと内容は、どれも一般的には迎合されないものばかりです。
しかし、常識を疑うという思考を持たない限り、モノゴトの本質を見極めることはできません。
一般論という温室の中で思考停止状態に陥っていないか。
本当に自分の信じるものを得るためにも、おおっぴらに口に出さずとも、この「超思考」によって視野を多極化し、モノゴトを一つ一つしっかりと考えていくことが大切であると感じました。
常識、モラル、道徳を重要視するあまり、「ちょっと変だぞ?」と思ったことでさえ口に出せない。
そしていつしか言わないことと考えないことが同義になり、面倒なことを考えなくなる思考停止の状態に陥ってしまう。
北野氏がこの一冊で取り上げ考察するテーマと内容は、どれも一般的には迎合されないものばかりです。
しかし、常識を疑うという思考を持たない限り、モノゴトの本質を見極めることはできません。
一般論という温室の中で思考停止状態に陥っていないか。
本当に自分の信じるものを得るためにも、おおっぴらに口に出さずとも、この「超思考」によって視野を多極化し、モノゴトを一つ一つしっかりと考えていくことが大切であると感じました。
北野氏は、上空から鳥のように物事を見ている。
俯瞰(高いところから見下ろす)する視点には、いつも感心させられる。
マスコミや政治家や世論や道徳などに振り回される一般人と明らかに違う。
・日本は核廃絶を訴えながら、アメリカの核の傘で守ってもらっている。
・国民皆保険は、患者の為といいながら、医者が確実に治療代を回収するシステムだ。
・子供は大人の偽善を簡単に見抜く。
・漫才も能力が落ちたと感じた時に、あっさりと辞めた。この状況判断力が自分の最大の能力。
・生き物を殺生して食べているのに、旨いまずいを論じるな。
・ゴールドラッシュでもっとも儲けたのは、道具を売った者だ。
・探しているのは、やりたい仕事ではなく、楽して稼げる仕事だろう。
が、そんなもの、所詮ある訳がない。
・自分にあった仕事を探すという考えがそもそもの間違いだ。
自分を仕事に合わせるのだ。
・「ソナチネ」は、日本では受けなかったが、海外では評価された。
自分のよいと思う事をやっただけだが、芸術映画として、一部の人達からの
評価を得た。
・自由と平等というが、この2つが両立することはありえない。
自由にやれば、格差は必ずできるものだ。
・世界恐慌といっても、どこかにそれで儲けた者が必ずいる。
・今のお笑いは、万人受けする言わば、ジャンクフードのようなお笑いになってしまった。
新しいネタを作り続けられない芸人は、消えていく。
紳助は、司会に転じて成功した。
・社会は建前で成り立っている。建前と本音の隙間に笑いが生まれる。
「王様は裸だ」という子供の言葉で笑いが生まれる。
・映画を撮る時の視点は、世の中を見下ろすという視点だ。
・今のテレビは視聴率を取っている番組に迎合して真似てばかり。
俯瞰(高いところから見下ろす)する視点には、いつも感心させられる。
マスコミや政治家や世論や道徳などに振り回される一般人と明らかに違う。
・日本は核廃絶を訴えながら、アメリカの核の傘で守ってもらっている。
・国民皆保険は、患者の為といいながら、医者が確実に治療代を回収するシステムだ。
・子供は大人の偽善を簡単に見抜く。
・漫才も能力が落ちたと感じた時に、あっさりと辞めた。この状況判断力が自分の最大の能力。
・生き物を殺生して食べているのに、旨いまずいを論じるな。
・ゴールドラッシュでもっとも儲けたのは、道具を売った者だ。
・探しているのは、やりたい仕事ではなく、楽して稼げる仕事だろう。
が、そんなもの、所詮ある訳がない。
・自分にあった仕事を探すという考えがそもそもの間違いだ。
自分を仕事に合わせるのだ。
・「ソナチネ」は、日本では受けなかったが、海外では評価された。
自分のよいと思う事をやっただけだが、芸術映画として、一部の人達からの
評価を得た。
・自由と平等というが、この2つが両立することはありえない。
自由にやれば、格差は必ずできるものだ。
・世界恐慌といっても、どこかにそれで儲けた者が必ずいる。
・今のお笑いは、万人受けする言わば、ジャンクフードのようなお笑いになってしまった。
新しいネタを作り続けられない芸人は、消えていく。
紳助は、司会に転じて成功した。
・社会は建前で成り立っている。建前と本音の隙間に笑いが生まれる。
「王様は裸だ」という子供の言葉で笑いが生まれる。
・映画を撮る時の視点は、世の中を見下ろすという視点だ。
・今のテレビは視聴率を取っている番組に迎合して真似てばかり。
北野武の雑誌連載を一冊にしたもの。予想したほどの毒舌ではないが、まあ、好きなことを言っている。
「モノゴトを自分の目で見て、自分が感じたことにどこまでも正直になるのだ。。。(中略)。。。ただし、そこで実際に自分の感じていることを口に出して、『王様は裸だ!』というかは別の話だ。いったんそれを言ったが最後、後戻りは出来ない。周りの人間に叩かれようとも、その道を行かなきゃいけなくなる」。
個人的に強く印象に残ったのは、思考停止と大衆迎合への警告。思考停止については、日本は発言の断片や言葉尻を騒ぎ立てることで個性的な主張や論理的な思考を封じ込める傾向があるとしている。また、迎合については、下品なことを言ったりするのは平気だが、世の中に迎合する下品だけは耐えられないのでやらないという。また、マスコミも芸もあらゆるものが大衆迎合に流れがちになっていると憂慮している。
「芸術なんて、ロクなもんじゃないのだ。。。(中略)。。。ロクなものではないが、つまらないものだとは言っていない」「商業映画は、客のことを考えて作る。そして、芸術映画は自分のことだけを考えて作るというわけだ」。
芸や芸術に関する見解は、著者が長年にわたって評価されてきた分野だけあって、具体例が豊富で面白く読めた。
「才能は誰にでもあるものではない」と述べ、「自分に合った職業を探すという考えがそもそも間違い。。。(中略)。。。自分を仕事にあわせるのだ」などと、近年の自分探しの傾向に安直なものを感じて戒めている。また、自身の弟子に対しては、礼儀だけは教えているとのことだ。
全体的に少し昔を美化し過ぎではないかと思った。あと、似たような話が繰り返されているところもある。ホンモノと作り物の違いなど、もう一段掘り下げればさらに興味深い話になったのに、と思う部分もあった。面白いけれど、いろんな意味で言いたい放題の範囲にとどまっている内容だった。
「モノゴトを自分の目で見て、自分が感じたことにどこまでも正直になるのだ。。。(中略)。。。ただし、そこで実際に自分の感じていることを口に出して、『王様は裸だ!』というかは別の話だ。いったんそれを言ったが最後、後戻りは出来ない。周りの人間に叩かれようとも、その道を行かなきゃいけなくなる」。
個人的に強く印象に残ったのは、思考停止と大衆迎合への警告。思考停止については、日本は発言の断片や言葉尻を騒ぎ立てることで個性的な主張や論理的な思考を封じ込める傾向があるとしている。また、迎合については、下品なことを言ったりするのは平気だが、世の中に迎合する下品だけは耐えられないのでやらないという。また、マスコミも芸もあらゆるものが大衆迎合に流れがちになっていると憂慮している。
「芸術なんて、ロクなもんじゃないのだ。。。(中略)。。。ロクなものではないが、つまらないものだとは言っていない」「商業映画は、客のことを考えて作る。そして、芸術映画は自分のことだけを考えて作るというわけだ」。
芸や芸術に関する見解は、著者が長年にわたって評価されてきた分野だけあって、具体例が豊富で面白く読めた。
「才能は誰にでもあるものではない」と述べ、「自分に合った職業を探すという考えがそもそも間違い。。。(中略)。。。自分を仕事にあわせるのだ」などと、近年の自分探しの傾向に安直なものを感じて戒めている。また、自身の弟子に対しては、礼儀だけは教えているとのことだ。
全体的に少し昔を美化し過ぎではないかと思った。あと、似たような話が繰り返されているところもある。ホンモノと作り物の違いなど、もう一段掘り下げればさらに興味深い話になったのに、と思う部分もあった。面白いけれど、いろんな意味で言いたい放題の範囲にとどまっている内容だった。