原子炉時限爆弾 の感想

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私は静岡在住で、浜岡原発が深刻な事故を起こせば確実に被曝する地域に住んでいます。そこで、浜岡原発が気になっておりましたので、昨年10月に本書を読みました。内容は深刻でネガティブな気分にさせられるもので、話半分という気持ちで読みました。

しかし、3月11日、福島原発が地震による津波で深刻な被害を受け、被災された現地の方に更なる追い打ちをかけ、原発の恩恵を最も享受している首都圏にまで、その魔の手を広げようとしている現実が突きつけられました。これは、原発の安全性は神話だということを厭が応にも見せつけた人災です。利益を追求するあまり、安全性を置いてきぼりにしてきたつけです。原発が安全ならば東京に作ればよい。健康被害がないならば、首相、官房長官が現場で陣頭指揮を執ればよい。政府やＮＨＫは「ただちに健康に影響はない」というフレーズをことさら繰り返し、パニック回避に躍起になっています。広瀬隆氏が繰り返し警鐘を鳴らしてきた最悪の事態が、リアルタイムで進行しています。

東京電力をはじめ、行政に危機管理能力が無いことが露呈した今、その危険性やシステムの細部まで熟知している技術者を結集し、事態を収束させる努力が必要と感じました。