紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす の感想
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参照データ
タイトル | 紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 武田 砂鉄 |
販売元 | 朝日出版社 |
JANコード | 9784255008349 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » た行の著者 |
購入者の感想
痛快だとは思う
共同幻想を相対化していく手つきが面白い
いわゆる"紋切型"をドライにではなく非常に情緒纏綿にネチネチと攻撃していく
冷めた目線を持った学者的な目線ではなく憎悪を込めて感情を爆発させて書かれた文章がいい
ただ「EXILE=馬鹿」という紋切型に関しては著者もお気に入りのようだ
私もEXILEは馬鹿だと思う
共同幻想を相対化していく手つきが面白い
いわゆる"紋切型"をドライにではなく非常に情緒纏綿にネチネチと攻撃していく
冷めた目線を持った学者的な目線ではなく憎悪を込めて感情を爆発させて書かれた文章がいい
ただ「EXILE=馬鹿」という紋切型に関しては著者もお気に入りのようだ
私もEXILEは馬鹿だと思う
スッキリしそうと思って読んだらどうにもスッキリしない本だった。スッキリしてはいけないという主旨なので当然だけれども、わかりにくいというより、生煮え。天声人語的なるものNHKなるものはじめ紋切型フレーズは昔からあるけれども、それを公共の場で使えるのはものを書く職業の人間だけだった。いまや誰もが表現者の時代。紋切型フレーズは歩道にまではみ出して溢れ返っている。そのなかから「これは」というものを拾い上げるセンスはとてもいい。たとえば「良記事」「誰がハッピーになるのですか」などは明らかにだれかが掃除しなくてはならないゴミであるから。ただ、掃除しきれてない。本人もあとがきで認めているとおり、また散らかしている。
紋切型フレーズは受け流し、中立、同調の道具なので、人とのつながりが広がればその使用頻度が上がるのはしかたがたない。一人の人が継続性をもってつきあえる人の数は150~200人といわれており、これを超える人間との関係を維持するためには紋切型の言葉は日常必需品なのだ。つながりは時間と自由を奪う。「大雑把につながっている」ことを強制されることにより「離れたところから洞察して対話へ持ち込んだり、意識的に近付いて相手側の声に耳を傾けたりするプロセス」がぶった切られるという著者の指摘はそのとおりだと思う。そういう行為を支援する者として解説者やファシリテーター、キュレーターの役割が増している。ただそういう人たちに拾い上げられる言説にしてもよほど強度のあるものに限られる。
紋切型フレーズは受け流し、中立、同調の道具なので、人とのつながりが広がればその使用頻度が上がるのはしかたがたない。一人の人が継続性をもってつきあえる人の数は150~200人といわれており、これを超える人間との関係を維持するためには紋切型の言葉は日常必需品なのだ。つながりは時間と自由を奪う。「大雑把につながっている」ことを強制されることにより「離れたところから洞察して対話へ持ち込んだり、意識的に近付いて相手側の声に耳を傾けたりするプロセス」がぶった切られるという著者の指摘はそのとおりだと思う。そういう行為を支援する者として解説者やファシリテーター、キュレーターの役割が増している。ただそういう人たちに拾い上げられる言説にしてもよほど強度のあるものに限られる。