図説 中世ヨーロッパの暮らし (ふくろうの本) の感想

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タイトル図説 中世ヨーロッパの暮らし (ふくろうの本)
発売日販売日未定
製作者河原 温
販売元河出書房新社
JANコード9784309762272
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

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購入者の感想

「中世という時代に記述され、描かれ、保存されてきた彩色写本や公文書だけではなく、現代に残る中世の農村や都市の家屋やさまざまな遺構の写真を、著者自身による撮影も含めて取り入れることで、中世ヨーロッパの庶民の姿と彼らの暮らしていた環境をイメージしていただけたのではないかと思う。」(p.125)

著者のあとがきに書かれていた上の文句に大きくうなずくことのできる一冊でした。本書はその総面積の5割ほどを絵版や写真・表のような資料に割いています。具体的な中世の生活イメージを読者の脳内に浮かび上がらせることに著者が心を配っていることがよくわかります。実際、本書を読了した私は、中世の都市を、農村を、そこに暮らす人々の様子を、現代の生活において目に映るものと同じような鮮やかな色合いと共に、思い描くことができると言ってみせることができます。本書で取り上げられた点に限定されるのではありますけれど。

本書は3部構成です。第1部は「農村の暮らし」、第2部は「都市の暮らし」、第3部は「中世人の日常」と題されています。農業、建築、職業、身の回りの小物から当時の人々の思想まで、まさしく平民の暮らしぶりに焦点を当てています。中世の村や町の日常生活を知りたいという方にはお勧めしたい一冊です。
 
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以下、本書の低評価レビューに対する本書の弁護です。

・冒頭の文章の読みにくさには私も面喰らいましたが、読みにくいのはそこだけです。詳しく指摘すれば、全127ページの本書において読みにくいと感じた冒頭部分は3ページから5ページまでのフレスコ画の解説文のみです。この冒頭部分の読みにくい文章が全編に渡って展開される、という評ははっきり不適切です。大部分の文章は高校の教科書が読める程度の読解能力があれば問題ないでしょう。

ヨーロッパを旅して中世の遺構を見ても、なかなか往時のことをイメージできないですが、豊富な図絵で、出来る限りビジュアルに、中世ヨーロッパの暮らしを判りやすく説明しています。

特に、「中世の人々と一生」の章は、当時の人がいかに宗教の影響を受けながら暮らしていたかが判ります。疫病・飢饉・戦争といったものへの無力感が彼らを宗教に向かわせたのだと思います。

この分野、アカデミックな本は多いのですが、自分の専門分野を超えて全体像を判りやすく説明してくれる本は少なく大変参考になりました。

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