さまよえる町: フクシマ曝心地の「心の声」を追って の感想

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タイトルさまよえる町: フクシマ曝心地の「心の声」を追って
発売日販売日未定
製作者三山 喬
販売元東海教育研究所
JANコード9784486037866
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

福島第一原発がメルトダウンする7年前、大熊町在住の農民歌人佐藤祐禎は、一つの歌を詠んだ(歌集『青白き光』)。

いつ爆(は)ぜむ青白き光を深く秘め原子炉六基の白亜列なる

青白き光とは、原子炉が臨界に達したときに見られるチェレンコフ光に由来しているという。恐ろしいまでの予言詩だ。「目のくらむような閃光とともに、この施設は吹き飛んでしまう…」という詩人の予感が、7年後に現実となった。この一首の存在を教えてもらっただけでも、本書には五つ星がつく。
しかし、三山が、避難先のいわき市に訪ねて行って会った佐藤は、想像した「寡黙な詩人」でも、反原発歌人でもなかった。福島県歌人会の事務局長や会長をつとめる「名士」であり、さまざまなイベントの開催や助成金の獲得(いううまでもなくそれらのスポンサーは東京電力)に奔走する文化活動のリーダーだった。
「大熊に反原発派の住民はいない。」と佐藤はいい、事実、三山が会った100人以上の大熊町民のほとんどが同意見だった。

本書は、故郷を失い各地に避難・流浪しながら「なんでこんなことになってしまったのか」と自問自答する大熊町民の「つぶやき」を、誠実に記録した本だ。福島原発事故の、第1級原資料のひとつになるだろう。

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