New Cool の感想

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タイトル通り、新しい上品なスムースジャズです。

　これがスムースジャズなのかと言われると、確かにスムースジャズです。
ですが、本来の白人系ジャズにきわめて近い、とても上品で古典的ジャズに感じます。

　スムースジャズは「聴き心地良い」「きらびやかな」音を追及するためか、電子系楽器が良く使用されます。
どちらかというと、エレキピアノやシンセサイザーを使うイメージのボブ・ジェームス。
どちらかというと、フォープレイだけではなくエリック・クラプトン・バンドの横でエレキベースを演奏しているイメージのネイザン・イースト。
その二人が、生の音、アコースティックな音にこだわりを持って作成した様子が音からうかがえます。
ブックレットにもありますが、ヤマハ楽器さんのアップライト・ベースである「サイレントベース」がきっかけの一つのようです。
エレキベースのびしっと粒ぞろいの良い精確な音よりも、ウッドベースのよく言えば温かみのある柔らかい音。
悪く言えば精確性のないフレットレスらしい音が、なんとも古典的ジャズらしい。
「なら初めからグランドピアノのウッドベースで演奏すれば良い」という指摘は野暮ですね。
きわめてアナログに近いデジタルで、スタジオの空気管が良く表現されています。
一部曲には、ストリングスも入っています。打ち込み音源のチープさは感じないです。
収録を見学していないので断定はできませんが、生音だろうと思います。

　確かに新しい「デジタルでアナログ」なジャズです。
さすがのお二方が演奏するだけあって素晴らしい出来です。
正直なところ、当たりの曲は半分あるかな？とおっかなびっくりに購入しましたが、そんなことはありませんでした。
どの曲も非常に完成度が高いです。
ヘッドホンやスピーカーで視聴しても、変な違和感や分離感を感じませんでした。
今までありそうでなかった「新しい、クールなジャズ」、ぜひお試しください。

視聴環境
プレーヤー：マランツ SA8005
プリメインアンプ：マランツ PM6005