古典BL小説集 (平凡社ライブラリー) の感想
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参照データ
タイトル | 古典BL小説集 (平凡社ライブラリー) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ラシルド |
販売元 | 平凡社 |
JANコード | 9784582768299 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 日本文学研究 |
購入者の感想
まあ、もともとやおいやBLに興味もあった。販売前から出版社のツィッターがネットで大きな反響をよんでいて、すぐに買えないのではないかと心配したが、どうにか買えた。
いろいろとこの本独自の定義などがあるので、解説をはじめに読んだ方がいいかもしれない。「古典」というのは、古代とかいう意味ではなくて、現在の一般的なBL以前の時期という意味。また、BLの定義は「女性作家が男性同士の関係を書いている作品」というシンプルなもの。だから、「BLと耽美小説は違う」といった「より細かい区分」はしていない。「女性作家が男性同士の親密な関係を(部分的にも)書いている」作品(19世紀後半から20世紀半ばの時期)ならば、すべてそれをBLとしている。一見すると大雑把なBL定義だが、「耽美、BL、やおい...」などと細かく区分してしまえば、本書のようなアンソロジーを組むことはほとんど不可能。だから、そうした定義はあえてしている戦略的なものと考えていいだろう。
7つの作品があるが、そのうち4作品は日本で初めて紹介されるものだという。1作品は森作品だから、6作品のうち4作品が初紹介となるので、お得感あり。その4作品とも長編だったので、あらすじと逐語訳によって内容を紹介していく「抄訳」形式をとっている。こうした形式は珍しいが、とにかく内容を知りたい自分にとってはありがたかった(ただし、当然ネタバレ。最後の結末までわかるようになっている)。実際、森作品以外すべて初めて読むものばかりだった(ラシルドの『ヴィーナス氏』は読了済。解説でラシルドをBLと結び付けて考察していて面白かった。ルノーの『馭者』は知る人ぞ知る過去の有名なBL作品だということは知っていたけど、はじめて内容がわかって納得した)。
たしかに、現在のBLとは違う。でも、女性作家がわざわざ男性同士の親密な関係を作品にすること自体、当時はマレだったのだから、そこは差し引いて読まないと「ないものねだり」になってしまうだろう。
表紙の二人の少年の絵画については、解説で紹介されているのでここでネタバレはできないが、思わず「へえ~!」と言ってしまった。時間的な縦軸だけでなく、横軸をたどると興味深いことが判明するということだと思う。
いろいろとこの本独自の定義などがあるので、解説をはじめに読んだ方がいいかもしれない。「古典」というのは、古代とかいう意味ではなくて、現在の一般的なBL以前の時期という意味。また、BLの定義は「女性作家が男性同士の関係を書いている作品」というシンプルなもの。だから、「BLと耽美小説は違う」といった「より細かい区分」はしていない。「女性作家が男性同士の親密な関係を(部分的にも)書いている」作品(19世紀後半から20世紀半ばの時期)ならば、すべてそれをBLとしている。一見すると大雑把なBL定義だが、「耽美、BL、やおい...」などと細かく区分してしまえば、本書のようなアンソロジーを組むことはほとんど不可能。だから、そうした定義はあえてしている戦略的なものと考えていいだろう。
7つの作品があるが、そのうち4作品は日本で初めて紹介されるものだという。1作品は森作品だから、6作品のうち4作品が初紹介となるので、お得感あり。その4作品とも長編だったので、あらすじと逐語訳によって内容を紹介していく「抄訳」形式をとっている。こうした形式は珍しいが、とにかく内容を知りたい自分にとってはありがたかった(ただし、当然ネタバレ。最後の結末までわかるようになっている)。実際、森作品以外すべて初めて読むものばかりだった(ラシルドの『ヴィーナス氏』は読了済。解説でラシルドをBLと結び付けて考察していて面白かった。ルノーの『馭者』は知る人ぞ知る過去の有名なBL作品だということは知っていたけど、はじめて内容がわかって納得した)。
たしかに、現在のBLとは違う。でも、女性作家がわざわざ男性同士の親密な関係を作品にすること自体、当時はマレだったのだから、そこは差し引いて読まないと「ないものねだり」になってしまうだろう。
表紙の二人の少年の絵画については、解説で紹介されているのでここでネタバレはできないが、思わず「へえ~!」と言ってしまった。時間的な縦軸だけでなく、横軸をたどると興味深いことが判明するということだと思う。