神の発明 カイエ・ソバージュ〈4〉 (講談社選書メチエ) の感想

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参照データ

タイトル神の発明 カイエ・ソバージュ〈4〉 (講談社選書メチエ)
発売日販売日未定
製作者中沢 新一
販売元講談社
JANコード9784062582711
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 宗教入門

購入者の感想

・サノーさん一言コメント
「脳のなかにある3万年前の森を散策により、無数のスピリットが紡ぎたす「超越者」の姿を知る」
【サノーさんおすすめ度★★★★★】
・ウノーさん一言コメント
「メビウスの輪が分断されたとき、世界と人が得たのは直線的な境界線と、唯一無二の神様でした。人の精神が辿る「帰還のとき」を学ぶ一冊です」
【ウノーさんおすすめ度★★★★★】

・サノーさん、ウノーさん読書会

サノーさん(以下サ):『カイエ・ソバージュ』も、第4巻、いよいよ超越者の実像に迫る一冊だな。
ウノーさん(以下ウ):ここに至るまでに残した謎や問いかけが、様々な根拠とともに、解き明かされていきます。
サ:スピリットと神、人間と自然の関係性の変遷を追うことによって、人間の本質そのものを探究していく。これは、哲学と科学と宗教学のプロセスそのものなんだ。
ウ:社会学と経済学もです。
「モーセの発見」から始まった全世界規模の革命がもたらしたものと、失われたもの。その対比で、現代の土台にあるもの、現代に生きる人間にある「精神」について巡る考察は、タイムマシンに乗って過去と未来を旅しているかのような感覚です。
サ:シャーマンが体験する世界、各地のシャーマンが語りづく「スピリット」の存在の類似性は、その根底にある超越者を暗示している。
ウ:世界中で伝承されているシンボルの共通性、祭祀の共通性、物語の共通性にベクトルを見出した時、「スピリット」は「グレートスピリット」となり、「神」とは違う道筋を選択します。
サ:その辺りはフレーザーの『金枝篇』でも、検証されている内容だな。
ウ:アポリジニのお話しは、ちょっと懐かしかったですね。カナダでの『ハイダグワエのたましい』の話を教えてもらった頃のことを、思い出しました。
サ:それと沖縄、日本の南方諸島に伝わり、いまも受け継がれている精霊信仰との共通性は、メビウスの輪のうえで分断されずに円環的に循環してた「生と死」を証明している。

第四巻では、ついに宗教の始まりについて彼独特の考察を解説しています。精霊と唯一神を分離し、それぞれがどのような思考のもと誕生したのか、をトーラスとメビウスで解説する手法には驚きました。今までボヤッとしか理解できていなかった一神教の成り立ちが、明確な形で、しかも当時の人々の心の中で組み立てられたプロセスを含めて理解できました。
ここでは、第一巻から継続して語られている、「対称性」が、精霊と唯一神との間にも存在することを解説しており、「カイエソバージュシリーズ」としての整合性も綺麗に取られており著者の思考の幅広さに大いに驚嘆しました。

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