西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫) の感想

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参照データ

タイトル西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫)
発売日販売日未定
製作者高野 秀行
販売元講談社
JANコード9784062765015
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

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「ビルマ・アヘン王国潜入記」でビルマのゲリラと生活を共にした著者の新たなるビルマものである。今回は長途の行軍である。中国からインドまで主にカチンとナガというゲリラの力を借りて陸路で旅をする冒険行。今回もまた並人にはできない体験の連続である。

ビルマの辺境山中のゲリラ、カチン。
そこはかとなくほのぼのとした雰囲気が感じられる交流の数々である。勿論、中国国境越えやジャングル行軍など危険や苦労は山のように襲いかかってくるが、「なんとかなるさ」というような空気も漂う。カチンの人々のメンタリティの表れであろうか。著者も苦難をともにするうちに親密感や連帯感を感じるようになる。

かたやナガではまた別のかたちの反政府ゲリラのあり方を見ることになる。
ビルのナガとインドのナガは殆ど別の存在である。前世紀の存在ともいえるビルマのナガと今世紀の影響を強く受けるインドのナガ。ゲリラのあり方にすらそれぞれの国力が反映しているとは驚きである。ゲリラの内部闘争やインド政府との関係など、未開の部族といわれるナガの方がカチンよりよほど現代の情勢と強く関連しているのは意外の感がある。著者はナガの人々にも世話になり、交流はするがカチン程の親密さは感じていないようである。やはり苦労を共にしたという印象が薄いからであろうか。

本書の題名は「西南シルクロードは密林に消える」である。ページを進めるうちに次第に西南シルクロードについての記述は減ってくるのであるが、題名はあえて西南シルクロードと冠している。ではどこにどのように消えたのか。エピローグに語られる題名にかけた思いはなかなかしゃれたものである。0

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