明治の細密工芸: 驚異の超絶技巧! (別冊太陽 日本のこころ 217) の感想

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タイトル明治の細密工芸: 驚異の超絶技巧! (別冊太陽 日本のこころ 217)
発売日2014-03-27
販売元平凡社
JANコード9784582922172
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購入者の感想

どのページを開いても素晴らしい名品が並んでいます。ため息が出るほどの高い完成度を誇っていました。

監修者の明治学院大学教授の山下裕二氏が冒頭で「いま、なぜ、明治の細密工芸なのか」で美術に関する知識がない人にこそ「明治の細密工芸の素晴らしさに触れていただければ」と書いてありました。その通りでしょう。本書の質の高さというより、村田コレクションの素晴らしさ、そしてそれを作りだした明治の「職人」の矜持に感嘆しています。

まず、並河靖之の京七宝の名品(解説は武藤夕佳里さん)が16ページからずらっと掲載してありました。「蝶図瓢形花瓶」の色合いの艶やかさと蝶々の紋様の華やかさは写真からも伝わってきます。続く「藤草花文花瓶」の伝統的な東洋趣味の極致ともいえる作品が海の向こうのコレクターや富豪に愛されたのは理解できるでしょう。
本書を眺めているだけで日本人が忘れている明治期の世界最高技術の七宝の名品に目を奪われることでしょう。このような世界に誇れる芸術の品々が本書に詰まっているのです。

ここに掲載の名品は、清水三年坂美術館の館長をされている村田理如(まさゆき)氏のコレクションに負うています。村田製作所創業者の次男であり、専務を務めておられたという村田氏の審美眼と情熱が無ければ、海外へ流出していたこれらのコレクションを我が国で見ることは適いませんでした。足元の日本人が一番その価値を知らないのではないでしょうか。

金工では、正阿弥勝義(138pに経歴あり)の「柘榴に蝉飾器(30p)」や鈴木長吉「十二の鷹」などの掲載作品にひかれました。江戸時代から明治へと激動の時代変化が、これらの装剣金工や鋳金に携わっていた職人が海外へ活路を求めざるを得なかったことが、原田一敏氏の論考で理解できました。
「自在置物」もまた手にとって見たくなる逸品でしょう。42ページの高橋好山の「伊勢海老」の精巧さは有り得ないほどの緻密さを見せてくれました。それぞれのパーツが本物と同じように動くわけですから驚きです。

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