道路の日本史 - 古代駅路から高速道路へ (中公新書) の感想

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参照データ

タイトル道路の日本史 - 古代駅路から高速道路へ (中公新書)
発売日販売日未定
製作者武部 健一
販売元中央公論新社
JANコード9784121023216
カテゴリアート・建築・デザイン » 建築 » 建設・土木 » 建築・土木工学

購入者の感想

本書の趣旨はタイトル及び副題に全て言い尽くされていると言って良い。古代ローマの道路網から中国秦・漢代の道路(シルクロード)、そしてナポレオン(ボナパルト)の時代の道路の特徴を俯瞰し、これより転じて日本黎明期(『魏志倭人伝』や『日本書紀』などに見える記述)の3世紀後半頃から現代の「ラウンド・アバウト」、「東京ゲートブリッジ」まで、道路の変遷史であり国家建設の歴史と言って良いだろう。主たるコンセプトを国家建設の基礎的インフラとしての『道路』と捉えて、そこから日本という国造りを考察していくという歴史アプローチは非常にユニークであり、かつ道路建設実務出身(工学博士)の著者の知見を元にした実証性の高い考察(解説)と考える。対象とする『道路』はその歴史からも、律令体制下における交通・通信制度を負った「駅(伝)制」、「七道」に始まる基幹道路を中心に(第2章以下)、その時代的変遷及び国家建設(支配体制)を、道路としての規格、即ち物理的実態(ハードウエア)、目的、「駅」、「宿」、通信体制などのソフトウエア面も当時の遺跡(遺構)調査結果、同時代史料などを元に実証的に考察していく。かかる意味では歴史論としても充分な客観性・実証性ある論考と言え、また新書というコンパクトさからも評価できる。現代の特に高速道路を扱う第6・終章では、道路建設の現代的特質(政治的な経路誘導・公害問題)にも言及があるが、本書の趣旨からは逸脱するため深入りするものではない。本書の構成・内容はこのページの「商品の説明」及び「目次を見る」に譲り、以下では個人的に興味を惹いたトピックを紹介したい。

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