Drones の感想

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音楽性についてのレビューは他にたくさんあるので、ここでは歌詞についてちょっとメモっておきます。歌詞に興味のない方は読み飛ばして下さい。

２作前の The Resistance からアルバムのテーマは一貫して「システム」への抵抗ですが、今作はさらに挑発的です。インパクトの強い３曲目の Psycho は Matt 本人ではなく「相手側」の視点から書かれた曲です。つまり Uprising の歌詞にある They will not 〜 の “They" そして Supremacy にある I am on to you の “you” が主人公です。軍隊を非難している曲だと誤解されそうですが、彼らが非難しているのは軍隊とは別の集団（ジャケ写がヒント）。不穏当か否かは別としてブラックユーモアのセンスも冴えてます。音楽は楽しんでなんぼ、というわけ。The Handler は２作前に出て来たMKウルトラ計画の被験者の話という設定です。締めくくりの曲 Drones が聖歌隊のコーラスに似せた作りになっているのはイギリス人お得意のサーカズムです。

これまで歌詞の内容にあまり注意を払っていなかった人は、和訳なり原文なりを読んでみると新しい発見があるかもしれません。Matt は完全にイッちゃってるトンデモ陰謀論信者なのか、ジョン・レノンの後を継ぐメッセンジャーなのか、それとも "They" の手先なのか・・・歌詞を読む人の所信により意見が分かれるところです。このアルバムをどう受け取るか、好き嫌いは別にして、彼らの高い音楽性が凝縮した作品であることは確かです。