ファイナンスの基礎 の感想

176 人が閲覧しました

金融工学本を初級、中級、上級にわけるならば、この本に記載されている内容は初級です。
だからといって侮れません。このほんの冒頭にも書いてある通り、金融工学、ファイナンスの専門書などは証明や定理の導出に関してはあまり説明せず、○◯という定義付けをして、このような公式を導き、数字を代入してポートフォリオを組むだとかで、初心者が取っ付きにくい現状。そして高い。
かといって新書サイズの金融工学の本やマンガ形式などの類いは、専門用語の理解を用意にするが、なぜそうなるのかという数式的な説明まで至っておりません。これは紙面の都合上仕方がないことです。
そのような現状の中、著者は高校数学の知識の人でも対応できるように数学の簡単な説明や、例題をふんだんに取り入れて詳しく導出をしています。

金融実務などにはこのような導出の背景、簡単に例題などあまり使う場面はないかもしれませんが、これを知っているのと知らないのとでは知識の奥行きが違います。

ちなみに書店に並ぶ金融工学関連の本の中で、一番見やすく（色刷り、構成が素晴らしい）、一番字が小さいと思われます。