病牀六尺 (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル病牀六尺 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者正岡 子規
販売元岩波書店
JANコード9784003101322
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品

購入者の感想

「病床六尺、これがわが世界である。しかもこの六尺の病床が余には広すぎるのである。わずかに手を延ばしてたたみに触れることはあるが、布団の外へまで足を延ばして体をくつろぐこともできない。 」
 と、まず書き出しが美しいんです。私は岩波文庫系の教養ある人がよむんだろうなぁ、という本はあまり読みませんが、『坂の上の雲』(司馬遼太郎)の真之と子規の友情の場面がとっても好きで、子規を知りたくなって読んでみました。

 亡くなる二日前まで新聞に連載されていただけあって、ひたすら具合が悪そうです。そして病人だからちょっと自己中。

 女性の教育について真面目に語り始めた回は、家の女性たちが家事に忙しくて子規さんにかまってあげていなかったことを不愉快に思って「学がないからだ」と怒り、女性の高等教育の必要性について書いておられます。論理的というより感情的、なんだけど生活が見えてきて面白いです。鋭い!という回もあれば、思い込み激しいなぁ〜と笑ってしまう回もあり、一気に読むというよりは通勤電車で毎日ちょっとずつ味わって欲しい本です。

 とはいいながら、やっぱり文章が上手いし、死の間際だけあって悟っています。

「余は今まで禅宗のいはゆる悟りという事を誤解して居た。悟りという事は如何なる場合にも平気で死ぬることかと思っていたのは間違いで、悟りという事は如何なる場合にも平気で生きて居ることであった。 」0

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