住環境―評価方法と理論 の感想

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タイトル住環境―評価方法と理論
発売日販売日未定
販売元東京大学出版会
JANコード9784130622028
カテゴリ »  » ジャンル別 » 科学・テクノロジー

購入者の感想

住環境評価の第一人者によって編まれた書籍である.

本書では,住環境を物的な住宅まわりの環境としてだけでなく,社会的,経済的,文化的な環境も含めて捉えている.評価の切り口は,世界保健機関(WHO)が「人間の基本的な生活要求」として示した「安全性,保健性,利便性,快適性」に加え,持続可能性の5つである.

副題に「評価方法と理論」とあるように,本書の要はとかく定性的に議論されがちな住環境を客観的に評価するための方法とその理論的根拠を示していることである.既述した5つの切り口それぞれに精通した専門家が,評価項目を整理する視点を述べ,それを基に定量的な評価方法について論じている.

評価は安全性,保健性,利便性,快適性,そして持続可能性の順に難しくなる.特に,快適性の定量的な評価方法に関する記述は充実しているとは言えない.それは快適性を評価することの難しさを表れであり,解決すべき課題が多く残されていることを示すものである.

本書のハイライトは,第8章であると考えられる.既述した5つの切り口ごとに評価したものを如何に総合化するか.アンケート調査結果等の主観的評価と物的指標との関係を定量的に捉える方法と問題点が詳述されている.特に,4節「物的指標と心理的評価の関係」の心理的評価における主観的価値と客観的価値を分離する方法や,5節「指標型の意味と総合化手法」における適切な密度指標の公理的な特定方法は,編者の研究論文がベースとなっており,理論的にも興味深い内容である.

最後に,本書には住環境評価項目がシート形式で付録としてまとめられている.その良さは実際に使ってみないと明言できないだろう.最新の研究成果をもとに,今後も評価方法を改善していくことが求められる.

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