奇面館の殺人(上) (講談社文庫) の感想

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参照データ

タイトル奇面館の殺人(上) (講談社文庫)
発売日2015-04-15
製作者綾辻 行人
販売元講談社
JANコード9784062930833
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

購入者の感想

綾辻行人の「館シリーズ」の9作目です。
自身の短編「フェラーリは見ていた」の記述によれば、
本当は6作目の「黒猫館の殺人」の次に書かれる予定の作品だったようです。

この作品は「館シリーズ」の中ではかなり堅実な作品だと思いました。
良質で、硬質で、多少古臭い「パズラー」だと思います。伝統工芸品と形容できましょうか。
しかし、その推理小説に殉ずるような綾辻行人のかたくなで一途な姿勢が、
この作品の骨格、価値を成しています。

ただ、「地味だ」「古臭い」という不満は出てくるだろうと思います。
私は「館シリーズ」の中にあっても遜色ない、十分に良質な作品だと思います。

ただ、昨今の綾辻行人お得意のホラー・幻想風味がほとんどありませんので、
「Another」「深泥丘奇談」など、そちらの方面で
綾辻行人作品に興味を持たれている方はご注意願います。

3作目の「迷路館の殺人」に近い雰囲気です。

初めて「館シリーズ」として本作を読まれる方は、
「なんだ、地味だな」と思われるかもしれませんが、
過去のダイナミックな展開のシリーズ作品の傑作も多くありますので、
そういう方もぜひ、第1作目「十角館の殺人」から読んでみてください。
(綾辻行人作品のリーダビリティは天性のものがあると思いますので)

追記

この奇面館の殺人事件には直接関係なくネタバレにはならないので
ここに書きますが、下巻P245に名前が出てくる

「<シュレディンガーの黒猫>事件」「神内家事件」

とはいったい何なのでしょうか。インターネットで検索しても、全く情報がありません。

この2つの事件、もしかして綾辻行人の次回作の予告なのでは(館シリーズ10作目? 殺人方程式3?)
と思ったりもしましたが、ちょっと期待をこめて、非常に気になっています。

(まあ、館シリーズ10作目以降が作られるとすれば

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