自分を信じて生きる―インディアンの方法 の感想
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参照データ
タイトル | 自分を信じて生きる―インディアンの方法 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 松木 正 |
販売元 | 小学館 |
JANコード | 9784093873413 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学 » 文化人類学一般 |
購入者の感想
「あるべき自分」と「あるがままの自分」という矛盾に折り合いをつけて生きよう、ということです。矛盾を受け入れる姿勢が大切だと松木氏は指摘します。我々(資本主義経済に浸かった生活をする人間)は、幼い頃から物事に白黒をつけることを周囲から強いられてきています。その結果、「自分と合うか、合わないか」、「意義があるか、ないか」、「(世間の常識的な価値観にとって)正しいか、正しくないか」と判断が性急になり、疑問を感じつつも自己完結的な人間関係を余儀なくされ、苦しむからです。
勿論、北米のネィティブ・インディアンも居留地や差別、失業、アル中といった深刻な問題を抱えており、著者もその状況を目の当たりにしています。それでもなお、部分的にかつての部族の生き方が残っています。得るところが多い、そのいくつかを紹介しましょう。
1「「すぐに白黒をはっきりさせる」ということは「葛藤を維持する力が乏しい」」(P.63)・・・葛藤を維持する力が、本当の生きる力であり、それを持つものが本当の大人だと言う著者の意見に賛成です。
2「判断を急ぎすぎてはいけない」(P.40)・・・ラコタ族のメディスンマン(シャーマン)の言葉で「判断を急ぎすぎてはいけない。何が起きているのか、よーく見るんだ。そうすると、いつしか頭ではなくハートが『よし!』と判断を巣出すときが来る。それを覚悟というんだ」とあります。自分で熟慮したつもりでも気付かずに世間的な判断基準に影響を受けている場合があります。心のうずく方向に耳を傾ける大切さを適切に現す言葉だと思います。
著者は環境教育を専門にしている方なので、その方面でプログラム作成の精神的バックボーンを学ぶことができる本です。それゆえに都会のオフィス街で働く人がじかに利用できる個所は少ないかもしれません。しかし、「矛盾を抱える生き方」を肯定する姿勢は何らかの参考になるのではないでしょうか。
勿論、北米のネィティブ・インディアンも居留地や差別、失業、アル中といった深刻な問題を抱えており、著者もその状況を目の当たりにしています。それでもなお、部分的にかつての部族の生き方が残っています。得るところが多い、そのいくつかを紹介しましょう。
1「「すぐに白黒をはっきりさせる」ということは「葛藤を維持する力が乏しい」」(P.63)・・・葛藤を維持する力が、本当の生きる力であり、それを持つものが本当の大人だと言う著者の意見に賛成です。
2「判断を急ぎすぎてはいけない」(P.40)・・・ラコタ族のメディスンマン(シャーマン)の言葉で「判断を急ぎすぎてはいけない。何が起きているのか、よーく見るんだ。そうすると、いつしか頭ではなくハートが『よし!』と判断を巣出すときが来る。それを覚悟というんだ」とあります。自分で熟慮したつもりでも気付かずに世間的な判断基準に影響を受けている場合があります。心のうずく方向に耳を傾ける大切さを適切に現す言葉だと思います。
著者は環境教育を専門にしている方なので、その方面でプログラム作成の精神的バックボーンを学ぶことができる本です。それゆえに都会のオフィス街で働く人がじかに利用できる個所は少ないかもしれません。しかし、「矛盾を抱える生き方」を肯定する姿勢は何らかの参考になるのではないでしょうか。