痴呆老人からみた世界―老年期痴呆の精神病理― の感想

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この本は、もの取られ妄想について、一定の理解を与えてくれたが、私は、総合病院勤務の精神科医で、日頃、夜間せん妄とか、一日中、暴れたり、大声をだして、病棟中がパニックになる患者さんと取り組んでいます。そういう仕事をしていると「精神病理」より先に、ともかく鎮静を求められ、やむを得ず、リボトリールやテグレトールで鎮静をかける方が先になります。そういう患者さんに対する取り組みが書いていないので、そういう意味では役に立たなかった