ブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書) の感想

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タイトルブッダの幸福論 (ちくまプリマー新書)
発売日2014-04-18
製作者アルボムッレ・スマナサーラ
販売元筑摩書房
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 幸福論と名のつく本は哲学者や作家、そしてビジネスマンが書いたものまである。それは、人それぞれの幸福観が異なるため、人の数だけ幸福論ができることではないか。しかし、「ブッダの幸福論」は他の類書にない普遍性を具えている。ブッダは一生を通じて、神や神秘性を抜きにして科学的に人間の幸福について考察し続けた。本書はそのブッダの智慧のエッセンスを凝縮したものだ。

 はじめに語られるのは、生きる必須条件は3つある、ということだ。まず、「学ぶこと」だ。人間は動物のように、ただ餌をとる方法だけを学べばいいわけではないから、いろいろ選択肢のあるなかで勉強しなければならない。その時に基準となるのが、自分が「トップクラス」にできることを学ぶということ。次に、その知識を使って「仕事をすること」だ。本書の中で長老は次のように述べられている。
「『好きを仕事に』とよく言われますが、そうではなくて『できるから楽しくなる、好きになる』というのが本当です。好きを仕事にしてしまうと困ったことが起きます。人間の好みというのは、コロコロ変わるし、一定しません。いま好きな仕事が、あとから嫌いになったらどうするのでしょうか?」
 3つ目の条件として、「社会の一員としての自覚」だ。長老は、
「とにかく、どんな小さな仕事でも人の役に立つことは当たり前ですし、人の役に立たないものは仕事ではありません。…ほんとうは、人間には仕事以外の趣味は必要ではありません。仕事そのものがたいへん神聖なもので、ものすごい充実感が溢れているのです」
とおっしゃっている。

 後半では、五戒(5つのやめるべき事柄)、四摂事(4つのするべき事柄)、慈しみの心について語られている。これらは2500年間の時を経てもなお新しいものでることがわかる。仏教とは宗教よりも、仏教そのものが幸福論といったほうが正しいのかもしれない。0

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