The Portable Poe (Viking Portable Library) の感想

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参照データ

タイトルThe Portable Poe (Viking Portable Library)
発売日販売日未定
製作者Edgar Allan Poe
販売元Viking Adult
JANコード9780670561780
カテゴリ » 洋書 » Special Features » all foreign books

購入者の感想

 私が思うに、推理小説の三大トリックとは
 一 物語を語っていく語り手、つまり、ナレーターが犯人である。
 二 事件を取り調べていく探偵が犯人である。
 三 殺された被害者が(身元が分からないように殺されていて)、犯人である。
 この三つのアイディアを最初に考えたのは、エドガー・アラン・ポーである。いや、厳密に言うと、三番目は違う。三番目の『被害者犯人型』は、チャールズ・ディケンズが最初に発表した。つまり、歴史上最初にこのアイディアを発表することに、ディケンズは、相当な気持ちの高ぶりを覚えたと見えて、ある雑誌に、『皆さん、この作品の犯人を途中で当てられる人がいますか?』と極めて自信満々に宣言して、連載を始めた。ところが、あろうことか、連載が始まって二,三回もたたないうちに、ポーが別の雑誌に投稿し、『ディケンズ氏の作品の犯人は、殺されたダレダレ氏である』といとも簡単に言い当ててしまったのである(ディケンズは、ショックのあまり、二、三日、誰とも口をきかなかったという)。だから、ポーにもともとそのアイディアがあったと考えていいだろう。
 ポーは、このほかにも二重人格のアイディア(『ウィリアム・ウイルソン』)、密室殺人のアイディア(『モルグ街の殺人事件』)、木を隠すなら森のなかというアイディア(『盗まれた手紙』)、人間は自由を恐れるというアイディア(『群集の人』)などをすべて、最初に発表した。推理小説のアィディアからこれらのアイディアに至るまで、多くの人が、訴えられる心配がないことをこれ幸いに、遠慮なく無断借用してきたことは、我々の知るところである。文学者のなかで一人天才をあげろと言われたら、私は、躊躇なくポーをあげる。

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