災害ユートピア (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) の感想
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参照データ
タイトル | 災害ユートピア (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | レベッカ・ソルニット |
販売元 | 亜紀書房 |
JANコード | 9784750510231 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
アメリカの地震・洪水、グラウンド・ゼロ、スリーマイルなどで起きた災害の現地共同体についてレポしたもの。
ここに書かれていることの多くは、どんな被災地でも現地の人間は概ね理性的であり、犯罪は少なく、自助努力と友愛が機能しているということです。そして逆に、指導層や『安全』な所にいる人間ほど「自分以外の人間は理性的ではない(かも知れない)」という妄想にとりつかれて誤った指示や、思い込みを元にしたデマや差別を共同体に持ち込むということ。
例えばスリーマイル島の避難は、当事者達は誰に聞いても「整然とした避難だった」というのに、メディアからは「どんなパニックでしたか」としつこく聞かれる。アーケードで暴動が起きたという(映画に良くある)デマを元に警官が無辜の市民を人種差別的に撃ち殺すといった、現実に向き合ってる人たちの外にいる人間がハリウッド映画を実現しようと行動する。指導者層が事態を妄想し計りかねて迷走する。こういうケースが数多く書かれています。
私たちがこの本から学べることは多々ありますが、一番に言えることは“現実的”であること、これに尽きると思います。モノがあるなら奪い合う必要はないし、足りなければ補ったり送ったりすればいい。そしてどうにもならないことについては妄想しない。こういうことだと思います。
これ自体が若干バイアスがかかっている面もありますが、それを含めて多くの人に読んでいただきたい本です。
ここに書かれていることの多くは、どんな被災地でも現地の人間は概ね理性的であり、犯罪は少なく、自助努力と友愛が機能しているということです。そして逆に、指導層や『安全』な所にいる人間ほど「自分以外の人間は理性的ではない(かも知れない)」という妄想にとりつかれて誤った指示や、思い込みを元にしたデマや差別を共同体に持ち込むということ。
例えばスリーマイル島の避難は、当事者達は誰に聞いても「整然とした避難だった」というのに、メディアからは「どんなパニックでしたか」としつこく聞かれる。アーケードで暴動が起きたという(映画に良くある)デマを元に警官が無辜の市民を人種差別的に撃ち殺すといった、現実に向き合ってる人たちの外にいる人間がハリウッド映画を実現しようと行動する。指導者層が事態を妄想し計りかねて迷走する。こういうケースが数多く書かれています。
私たちがこの本から学べることは多々ありますが、一番に言えることは“現実的”であること、これに尽きると思います。モノがあるなら奪い合う必要はないし、足りなければ補ったり送ったりすればいい。そしてどうにもならないことについては妄想しない。こういうことだと思います。
これ自体が若干バイアスがかかっている面もありますが、それを含めて多くの人に読んでいただきたい本です。