魚はどこに消えた?―崖っぷち、日本の水産業を救う の感想
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参照データ
タイトル | 魚はどこに消えた?―崖っぷち、日本の水産業を救う |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 片野 歩 |
販売元 | ウェッジ |
JANコード | 9784863101135 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
他のレヴューに「記憶に残らず、具体策が示されてない」というような記述がありましたが、漁業者の端くれとして働いている立場から、この本の内容が広く伝わらない事を危惧しましたのでコメントします。 著者は北欧を主体に水産物の買い付け業務に従事しておられ、20年以上に亘りノルウェー水産業をみてこられた方です。日本の漁業の窮状と世界の其れとを比較して、なぜ日本の漁業が衰退し、取り分け北欧で成長しているのかが、かなり明快に示されています。 また水産市場の最前線で仕事をされた経験から単純に漁業の制度を分析するだけでなく、「どういう魚を人々が求めるのか」という視点に立っての具体的で効果の期待できそうな提案も最後の一章を通して展開されています。欧州では「きちんと資源管理された魚でないと買ってくれない」という記述には驚きを感じました。 私の周りでも実際に「獲れない、売れない、継がない」という、漁村の疲弊した現状があります。早急に国レベルで資源管理に着手するとともに、人々の「資源としての魚」への意識が高まることを願います。