世に棲む日日(二) (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル世に棲む日日(二) (文春文庫)
発売日2014-12-12
製作者司馬遼太郎
販売元文藝春秋
JANコード登録されていません
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 日本文学研究

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海外渡航が失敗に終わり、罪に問われた吉田松陰。郷里の松本村に追いやられ、松下村塾を開く。
安政の大獄により物語序盤で死罪になってしまう松蔭に代わって、松蔭の弟子である高杉晋作が"革命"の志を明らかにしていく。
高杉晋作が上海への洋行を終え、日本革命の大戦略を描くところが非常に面白い。

「攘夷というこの狂気をもって国民的元気を盛りあげ、沸騰させ、それをもって大名を連合させ、その勢いで幕府を倒す」
「長州一藩をほろぼすことによって日本革命を樹立し、死中に活を得よう」
「侵入軍と戦い、山は燃え、野は焦土になり、流民があちこちに発生し、それとともに既成の秩序はまったくこわれ、幕府もなにもあったものでなくなるとき、その攘夷戦争をやってゆく民族的元気のなかから統一がうまれ、新国家が誕生する」

また、司馬遼太郎の革命の初期・中期・後期の説明が実にわかりやすかった。

「松陰は革命のなにものかを知っていたにちがいない。革命の初動期は詩人的な予言者があらわれ、「偏癖」の言動をとって世から追いつめられ、かならず 非業 に死ぬ。松陰がそれにあたるであろう。革命の中期には卓抜な行動家があらわれ、奇策縦横の行動をもって雷電風雨のような行動をとる。高杉晋作、坂本竜馬らがそれに相当し、この危険な事業家もまた多くは死ぬ。それらの果実を採って先駆者の理想を容赦なくすて、処理可能なかたちで革命の世をつくり、大いに栄達するのが、処理家たちのしごとである。伊藤博文がそれにあたる。松陰の松下村塾は世界史的な例からみてもきわめてまれなことに、その三種類の人間群をそなえることができた。」

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