白夜の大岩壁に挑む~クライマー 山野井夫妻~ [DVD] の感想
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参照データ
タイトル | 白夜の大岩壁に挑む~クライマー 山野井夫妻~ [DVD] |
発売日 | 2008-05-23 |
出演 | 山野井泰史 |
販売元 | NHKエンタープライズ |
JANコード | 4988066159077 |
カテゴリ | » DVD » ジャンル別 » ドキュメンタリー |
購入者の感想
かつて世界最強のクライマーと言われた山野井泰史という人間につきまとうのは、孤高やストイックといった求道的なイメージである。ソロに拘り続け、TVクルーの同行を頑なに拒否してきた男が、何故、今回(2007年)前人未踏のグリーンランド遠征は、ザイル・パートナー妙子夫人と共通の知人のクライマー木本哲氏とのパーティーを組み、NHK取材班の同行を許可したのか。余程の心境の変化があったはずである。もしかしたら、山野井自身は残された時間はそんなにないと思っていたのかも知れない。2002年ギャチュン・カンで奇跡の生還を果たしつつも、凍傷で手足の指を失うという致命傷が、多大な影響を及ぼしたことは確実だ。「(自分も)切っているから分かる、精神に重くのし掛かっている」と木本氏の影を落とした言葉が代弁している。二人は「ギャチュン・カンのことはどうでもいい」と言い切る。懐の深い彼らの今をありのまま懸命に生きる姿が印象的だ。技術やスピードに於いて決定的に弱くなったことは確かだが、向上するチャンスが残されている以上、その時間はそんなに長くない気がしたのかも知れない。山野井夫妻は物に全く固執しないという同じ価値観を持つ。古い借家に暮らし、家電は友人から譲ってもらった中古品を使うなど、非常に質素な暮らしぶりだ。唯一拘りがあるとすれば、登ることと、体の一部になって欲しいと願う、時に生死を分ける登山用具だけだと言う。ハンディを負った夫妻の技術的な向上も目覚ましいが、山野井自身が最も自負するクライマーとしての高いモチベーションの維持と信頼あるパートナーシップ、何の気取りも衒いもなく、無垢な瞳で取材班に本音を晒す自然体の彼らの人としての寛容さ等、更なるメンタル面の成長が称賛に値する貴重な記録映画であることは間違いないと思う。
「諦めるとか、諦めないとか じゃなく。 この先に あがりたい。」
少年のような瞳で語る、この 無垢なきもち。
「 やっぱり、たのしいから、」
登り はじめたときから、変わらず、これからも 変わらず。
「 振りかえってる余裕はありません。ギャチュンカンはもうどうでもいいんです。」
過去のことより、いまを、どう登るか 。
「 遊びに いのち 懸けてますから、」
お金じゃない、名誉じゃない 、どうできるか、どれだけ できるか 、 それだけ 。
尊敬します 。
少年のような瞳で語る、この 無垢なきもち。
「 やっぱり、たのしいから、」
登り はじめたときから、変わらず、これからも 変わらず。
「 振りかえってる余裕はありません。ギャチュンカンはもうどうでもいいんです。」
過去のことより、いまを、どう登るか 。
「 遊びに いのち 懸けてますから、」
お金じゃない、名誉じゃない 、どうできるか、どれだけ できるか 、 それだけ 。
尊敬します 。