フランス革命―歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書) の感想

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参照データ

タイトルフランス革命―歴史における劇薬 (岩波ジュニア新書)
発売日販売日未定
製作者遅塚 忠躬
販売元岩波書店
JANコード9784005002955
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

購入者の感想

「スランス革命」について書かれた書物はゴマンとあります。ですが、その中でも群を抜いている、と言わざるを得ません。
素晴らしく読みやすい文体、構成。文句の付けようがありません。
本書は、革命の順を追って書かれているわけではなく、著者の独自の視点での構成になっており、そこが本書の特徴であり良いところです。
こんな史実の裏には実はこんな事があったからなのです。といった具合の書き方で非常にわかりやすいです。
文体としても、とてもフラットで私達読者と同じ目線で語ってくれていて、読んでいて非常に好感をもてます。だから理解しやすい。
フランス革命だけでなく文章力を学ぶ為にもとても参考になります。文句なしにオススメ、必読の一冊に推薦します。

 遅塚さんはもう、功名を遂げて、改めて自分を誰かに対して証明する必要などない立場にある方だと思うが、そうなったからこそ、若い読者、もっと言えば序文で触れているような「青銅時代」の読者に一緒に考えよう、と渾身の力を込めて書いた本だと思う。
 「歴史における劇薬」という副題も、なんとなく雰囲気でつけました、みたいなお手軽なもんじゃない。最初から最後まで、「フランス革命は人間精神の偉大な達成である一方で、数知れない尊い命を断頭台へと葬った暗い影を持つ歴史的な事件だった」「それは劇薬といっていいものだ」という問題意識に貫かれている。
 ロベスピエールなど山岳派によるテロルによって三万五千~四万人が断頭台の露となって消えたが、妥協的な改革路線をとった91年体制を打ち破り、貧しい農民や手工業者の生きる権利が高く掲げられたフランス革命の93年の段階があったからこそ「生存権」という基本的考えも、例えば日本国憲法の第二十五条に書かれるようになっているのであり「現代日本の私たちは、あの恐怖政治の血まみれの手からの贈り物を受けているのです」(p.169)というまとめは感動的だ。

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