Intermolecular and Surface Forces, Third Edition: Revised Third Edition の感想

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名著として名高く第二版まで邦訳もある本書の第三版が15年の時を経て出版された。
世紀をまたいだこの間の研究は目覚しいものがあり、特に分子・原子のさらにミクロな構造についてと、自己集積・集合現象と生体現象に関する研究が飛躍的に発展した。第三版では、こうした現象について大幅に加筆が加えられている。
以下では第二版からの加筆部分について紹介したい。
第一部『原子間力と分子間力：原理と概念』には第二版からの追加として、第九章「非平衡・時間依存の相互作用」が加筆されている。第二版以降に世に登場した原子間力顕微鏡(AFM)において測定された応力のヒステリシスなどが紹介されている。
第二部『粒子間および表面間の力』には、第十二章「相互作用力測定の手法」が加筆されており、著者のイスラエルアチヴィリらが提案した表面間力計(SFA)やAFMなどによる測定手法が紹介されている。また第十八章「摩擦力・潤滑力」が追加されている。
第三部は第二版のタイトル『流体状構造と自己会合系：ミセル、二分子膜および生体膜』から変更され『自己集積構造と生体系』となっている。各章のタイトルも改題され、最後に第二十二章「動的な生体相互作用」が加筆され、細胞のもつ物質輸送特性などが紹介されている。
以上、全体として第二版から四章が新たに加筆され、より新しい学術的発見を取り込んだ一冊になっていると言えるだろう。