Business Model Generation: A Handbook for Visionaries, Game Changers, and Challengers の感想

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ビジネスモデルの書籍は最近結構出版されている。最も有名なのは、エイドリアン・スライウォツキーのプロフィットゾーン経営戦略。それに、マーク・ジョンソンのホワイトスペース戦略。共通しているのはいずれも製品の提供側よりも消費側、すなわち、顧客ニーズの分析を重視していること。
この本もその方針に従って、顧客価値を中心にビジネスモデルデザインのフレームワークを提案している。前半はビジネスモデルキャンバスというフレームワークの説明。後半はそれを活用したデザインパターンとデザイン手順の提案。ビジネスモデルキャンバスでは、顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客関係性、収益流、キー活動、キー資源、キーパートナー、コスト構造という ９つを構成要素としています。
前半のビジネスモデルキャンバスは目から鱗の感動。日本語に翻訳したい良書だと感じました。しかし、後半は最初の切れ味が鈍くなりフツーの本になってしまった。デザインパターンはたったの５つ。デルのダイレクトモデルさえ入っていない。もちろん、最近のソーシャルメディアを活用したビジネスモデルもありません。さらに、デザイン手順は過去に提案されたあたりまえのことしか書いていない。
前半がオリジナリティがあるものだったので、後半の失速は残念です。